9月27日(金)なんか臭うな?なんか臭いな?でも立証はでけないモヤモヤ


 秋晴れ。天高く、空気が澄んで富士山が良く見えた。17℃〜23℃。



 色んなステークホルダーが色んなロビー活動をしているというのを陰毛論として斥けるのは、ある意味ではナイーブと言われても仕方があーりません。 







 お勉強シリーズ:嗅覚(続)

 感覚器は外界の情報をセンスして、脳に伝える器官ですが視覚や聴覚、触覚などは空間的な相関をほぼ維持して脳内にマッピングされます。しかし嗅覚は規則的だが独特の構成で脳に伝えられます。一番原始的で、生き残るのに必須の器官であったからです。

 哺乳類の場合、鼻腔の天井にある嗅細胞(ヒトで約500万個)の臭い物質受容体が匂い物質を受け取ると電気パルスになり脳に伝わります。この臭い物質受容体は遺伝子解析により約1000種類あることが知られています。500万/1000=5000個が同じ種類の受容体を持っていることになります。

 不思議なのは、この同じ種類の受容体を持つ嗅細胞から脳内に伝わる神経線維は約5千本の束になって、脳内の嗅球という所に分布する1000個の糸球体の一つに纏まって配線されます。つまり嗅球の上に1000個の糸球体が二次元にマッピングされている訳ですね。匂いに対応してこのマッピング・パターンが微妙に変化して、それを脳の高次機能がパターン解析することで何十万という匂いを嗅ぎ分けれるのですね。フ〜、文章だけでこれを理解でける人は天才かも。ダハッ

 簡単に言えば、臭いは1000画素の二次元平面に写し出されるわけです(ヒトのばやいは天敵が少なくなったせいか、あるいは視聴覚に重きを置いたためか、この画素の1/3くらいしか働いていないとか)。

 この嗅細胞という匂い最前線の神経細胞は1か月弱の寿命で常に新しいものに置き換わっていまふ。鼻腔の嗅上皮で生まれた嗅細胞から伸びる神経線維がある特定の糸球体に達するのは、如何なる機序によるものかっ?が長年の疑問でした。生まれたばかしの受容体は、まだ特定の臭い物質の洗礼を受けていないので、どの糸球体に属するのか分からず、ピコピコ開いたり閉じたりして揺らいでいるだけです。

 このゆらぎに目を付けたのが斯界の権威、坂野仁つう御仁でやんす。この受容体のピコピコゆらぎにも微妙なズレがあり、このズレが同じような者同士がゆらぎの平衡点を共有し、これが同じ糸球体を目指させるのだあああ!つう仮説を立て、これを実証しますたのだ(未来のノーベル生理学賞かもね?)。ゆらぎに平衡点があるなどという目の付け所がシャープですぅ。

 最近の生命科学の動向として「ゆ・ら・ぎ」に着目する切っ掛けを作ったと言ふ点でも、とてもユニークな研究でした。ハレハレ 今後はこれを突破口として、嗅球のパターン認識の機序とかのよりこころの質感に迫る高次機能の研究に邁進するそーです。期待age♪





 あと臭いで不思議なとこは、「嗅覚疲労」とゆって同じ臭いは長く感知できないってとこですね。鼻糞の臭いや自分の臭いがいつも検知されてたら居たたまれませんどすぅ。匂いは慣れると。フェロモンもヒトのばやいは嗅覚で感知して亢奮しまふ(動物は別に器官があるとか)。老化するとあらゆる感覚器は鈍麻しますが、臭いのばやいは「なんか臭いはしてるが、何の臭いか判別できない」つう判別機能の低下が見られまふ。



 ともあれ、パターン認識と言ふのが、こころの機能のいわゆる一つの鍵であるような気がするこのごろだす。どもども。