9月13日(土)鶺鴒鳴(セキレイの鳴き声が聞こえてくる頃)チッチーチッチ

 遠方に積乱雲、上空にすじ雲という夏と秋の混じった晴れ。21℃〜27℃、63%。と爽やか。





 記憶の可塑性とは:嫌な記憶を、楽しい記憶に変更でけるのかっ。


 曖昧で断片的な記憶を思い出す時に、その一部を変化させてしまい、実際にはなかった出来事を記憶として思い出してしまうことを「過誤記憶」と言います。記憶は脳幹にある記憶の司令塔海馬で制御されますが、そのとき扁桃体という情緒を司る部位に関連付けされます。嫌な記憶や楽しい記憶は普通の記憶より残りやすいのです。

 脳内で記憶はどうやって保持されるのか?は未だにイロエロな説がありますが、有力な仮説は「engram(記憶痕跡)」と呼ばれる神経細胞群の繋がりのパタンに蓄積されるというものです。このような二次元パターンによる識別は臭いの判別などでも明らかになっており、脳内ではある程度普遍的な構造だと思われます。シナプス結合の強化が、イロエロなエングラムを構成するとゆわれてまふ。

 ここで大前提とされるのは、哺乳類の間で脳や心の発達は連続である!という仮説ですね。人間だけ飛びぬけて非連続的に素晴らしい神のような心を持っているとすれば、記憶に関する諸説は胡散霧消してしまいます。なぜならこれらの実験はネズミを使って実証されますから。

 オスネズミを小さな囲いに入れて電気ショックを与えると、その場所は「嫌な場所」として海馬と扁桃体のエングラムに記憶されます。そのとき光遺伝学を用いてそのエングラム細胞群に光感受性を持たせます。以後、そこに光を当てるとそのエングラムが活性化され「嫌な場所」が思い出されます。ここからがおもすろい実験なのれすが、光を当てて「嫌な場所エングラム」を活動させながらミニーマウスとデートさせ楽しい時間を過ごさせます。すると「嫌な場所エングラム」が「好きな場所」にスウィッチしてしまうんだすゥ。すなわち記憶の情緒によるスタンピングは可変であると。


 詳細な実験によれば扁桃体のエングラムは強固で変わらないが、海馬から扁桃体に繋がる神経結合が変化する(可塑性)ので記憶のスウィッチが起きるらしい。今後、過去の嫌な記憶に縛られがちな鬱な人の臨床応用に生かしていきたいとのこと。(ちなみに海馬つうところは脳内でも数少ないいつまでも細胞分裂が続く部位なんすね。またネズミのココロをどうやって読むのか?つうのも謎の一つですが、行動を観察して心を推測する手法がとられているとか。)