12月9日(月)空豆を食べると空味が生じるのかい?

 寒曇り。5℃〜10℃。落ちハゼを釣ってる人がいた。さむそ。



 味覚即嗅覚、嗅覚即味覚なーり:

 空耳、空目と言ふ錯覚は良く知られてますが、実は空舌と言ふものあるんすよ。味覚の錯覚を利用してイロエロな味を作り出そうとの試みが、特にメタボな人が多いアメリカで研究されてまふ。

 味覚は舌にある茸状乳頭っつう感覚器で検知されますが、この分布密度の個人差がナント10倍もあるんすね。生まれつきの感度の差。また味覚受容体のたんぱく質も微妙に差があるので味の感じ方は個々人によって千差万別だす。さらに子供の頃の食習慣によって旨さ感覚が異なります。更にさらに母胎に住んでた頃にお母さんが何を食べてたかも影響します。味覚の成り立ち自体が複雑怪奇なんすねィ。

 ここに更に脳内での高次味覚認識ってな不思議も加わります。すなわち嗅覚や視覚が(時には聴覚も)微妙な風味に差を付けてるんす。ここでこの空味を積極的に利用しようってな御仁が現れた。スウィーツ摂取過多でメタボに陥っている人々を救おうとの志やよし!

 その一つは、味覚受容体を誤魔化して酸味を甘味に替えてしまおうってな試み。昔から知られていたアフリカ原産のミラクルフルーツから取れるミラクリンっつうたんぱく質を摂取すると、甘味受容体が数倍に活性化して酸味を甘味に変え、酸っぱい檸檬が甘い果実に変わると。これを科学的に合成して砂糖の無いスウィーツを作ろうと研究中とか。

 さらに嗅覚を動員して味覚の錯覚を作り出そうとの試みもありまふ。昔のトマトはとても旨かったが、最近のトマトは流通性や保存性を重視した品種改良によって不味くなってしもた。これを旨くしようとの試み。数百種のトマトを分析して旨さを解析したら、実は嗅覚で検知される揮発性成分がそのカギを握っていたのでした。その揮発物質を化学分析したらば変なことがわかりますただ。イソ吉草酸つう靴下の悪臭とか嫌な臭いとされる成分が山と出てきたのれすぅ。しかしそれらが組み合わさると、トマト本来の味と甘味を強調する錯味が生じると。

 げに脳内高次機能って不思議ですねィ。プ