5月31日(金)麦秋至(麦を刈り入れる頃)

 梅雨の晴れ間。気温26℃まで上昇。ああ皐月も今日までだったなあ。そう言へば「麦秋」って小津作品もあったね。



 「科学技術政策研究所シンポジウム」ってのを聞いてきた。同研究所が毎年ナイスな研究者10名を選定して顕彰するんすが、その方たちが研究のポイントを紹介して下さるのです。あの山中伸弥さんも6年前にナイスな顕彰をされていましたのだ。イロエロな分野の最先端の研究が紹介されて、日本は素晴らしいぢゃないかい!と改めて思いましたのだ。
 
 2〜3印象に残ったことなど:
・大木聖子さんの地震科学の発表・・・想定外は想定できない。いかなる想定外でも失ってならないものは何かを考える。災害の時は「まあ、大丈夫だろう」と落ち着いて冷静な人は危ない(正常性バイアス)。 慌てて危険を訴えている人の意見を聞きましょう。実践的でリアルな防災訓練しかない。揺れの長さが地震の大きさ。1分続けばばM8,3分以上続けばM9となる(簡易見分け方)。地震はカタストロフィだから予測は困難。などなど、実際に参考になる見識が多かった。

・安川香澄さんの地熱エネルギーを使おう・・・日本は世界第三位の地熱資源国なのに実際の地熱発電量は原子力政策に押されて10位以下の現状。しかし技術的には高度で、世界の地熱タービンの70%は日本製で掘削技術も超一流。国立公園法や温泉宿保護を緩和して、もっと地熱エネルギーを使いましょう!ってな訴え。ぼくは太陽電池より地熱に政策支援を集中した方がイイと思いました。初期コストや環境問題に影響があっても一番安全でステディなんぢゃナインかな。

・ピエロ・カルニンチさん・・・遺伝子をコーディングしている2%以外のゲノムの役割が分かってきた。それらノン・コーディングDNAはたんぱく質を作成するコーディングDNAの発現時期や発現量を調節しているのです。まだとば口ですが、今後に期待age。

・近藤滋さんの動物の縞模様は「波」である・・・チューリング・パターンで説明できるがこれを実証した。シマウマ、キリン、ヒョウ、トラ、貝、熱帯魚などなどすべての動物の体表模様は一つの原理で説明できる。それは細胞の近距離排除ー遠距離促進の機構が波を作るためである。ゼブラフィッシュの遺伝子改変でこれを実証した。この原理は単に体表模様だけではなく、形態発生にも応用できる。進化的には体表模様は偶然だからあんまし意味は無いだと。(どっちかっつうとこのしとの意見に一番共感でけたのだ。この世のことには全て意味があるっ!だと息苦しい。この世は全て偶然だすぅ〜の方が自由でイイと思いますのだ。)

・木賀大介さんの遺伝子を合成しちゃおう・・・生体内合成と化学合成を組み合わせて変な菌を作っちゃうコンテストの主導者。危険だけどおもすろいし、おもすろいけど危険だ。でも生命の理解を深めてくれます。

他のもおもすろかったけど、説明に紙数を要するから割愛。どもども。