1月5日(土)読書って傍から見てれば完全に無為だよね?


 薄曇り。0℃〜5℃。北風がつべたすぎて終日巣ごもり。小人閑居して不善を為す。
 ん?君子なら閑居してもイイのかな?小人とか君子とか人間を決めつけてないかい?君子閑居して善をなす?「不善をなす」って西欧語的だすな。No one comes.とか。小人閑居して善を為さず?ホントに何もしなかったら、小人閑居即ち無為?これなら「沈香も焚かず屁もひらず」で特に害はないよね。



 つうことで終日読書。コリン星のウィルソン君「アウトサイダー(上/下)」(中公文庫)を流し読み。若い頃嵌まったから夏加水。英国はけっこうな階級社会ですから、下層階級の者はなかなか世に出れまへん。コリン君はおつむが良くって研究者になりたかったんですが、家が貧乏ですから高校を出るとすぐに働きに出ます。でも勉学への渇望止め難く、ロンドンへ出てアルバイトしながら大英図書館で読書、夜はリーゼントパークで野宿つうホームレス。それで図書館で読んだ大量の読書経験が一気に爆発して、世に出たのがアウトサイダー(異邦人?)つう本でした。これが世界中で爆発的なヒットをして、25歳のホームレスが一気に知の巨人になったと。高校も満足に出ていないのに、後にアメリカに渡って大学教授にもなったぞよ。秩序の内側に留まることを拒否した世界のアウトサイダーを論じてはいますが、実は社会の不適応者であった自分語りだったりして。そんなところから異常なまでの迫力が出ているのかもね。ぼくがパリに住んでた頃は、バックパッカーの頃のコリン君が居候していたという舞踏家の家なんかを尋ねたりしたもんだ。結局ぼくはアウトサイダーに憧れた臭いインサイダーで終わってしまいそーですが、誰にだって夢はあるんだいっ!でも今読み返しても知の冒険はハラハラドキドキするから無法者志向の人には一読お・す・す・め!ども。



 良く分からん業界用語:
ご案内の通り→ご存知のように
然るべく→同意します




 リンガフランカ
 印度ヨーロッパ諸語(ヒンズー独仏露伊西蘭など)を押しのけて国際標準語の地位に上りつめた英語ネイティブは国際的にかなーり有利な地位を占めましたが、その前のリンガフランカたるラテン語も隠然たる勢力を誇ってまふ。なぜならラテン語由来の語彙が、まるで日本語における漢語のように根深く西欧諸語に残っているからです。西欧語を勉強しようとする諸君はまず、ラテン語学校に通う方が早道かもね?ってそんな学校は百年前に廃れちまったけど。ヘルマン・ヘッセの青春のころはまだ全盛だったみたいですが。

 追記:あ、読み返したら例が古かったか。「まるで日本語におけるカタカナ英語のように根深くのこってまふ。」のほうが分かり易いかもね。プ