10月10日(水)信なくば立たず!→信なくてもだらだら居座る?

 雲の極めて多い晴れ。16℃〜22℃、84%〜62%。21時過ぎから絹雨しとしと。さすがに長袖でないと風が冷たいぞぞっと。今日はトマト記念日。


 商家には「信用は元手なり」という家訓があったが、社会的な信用も一旦地に落ちると中々回復しません。特に3.11以後の東電や政府、アカデミアはたまたメディアの対応などに国民のしこりが溜まってます。「緊急事態時に如何にして信頼を維持するのか?」、当該分野にて先進的な実績を持つオランダのラテナウ研究所所長にお話しを聞きました。

○要点:
1.危機の当初には信頼の問題はない。一致協力して破壊的事態に臨むポジティブな姿勢が大勢を占める。
2.危機がやや収まってくる頃から、徐々に不信が頭を擡げてくる。これは大きく2つに分類される。・メッセージに対する不信と、・システムに対する不信。
3.アクションは危機の初期、中期に集中して取るべきで、後で言い出しても反発を招くだけである。すなわち社会の本当の危機は、危機の後にやって来る。
○危機当初の対応:
・まづ信頼や連帯に対して感謝の念を表明する。
・災害対策のリーダーは司令官として振る舞ってはならない。自分で責任や権限を抱え込まず、それらを適切に委譲すること、指示を的確に行いフォローする。
・システムの不具合を指摘するのはこの時期しかない。また中期的な対応案もこの時期に出さないと手遅れ。(不信が高まった時期だと、誰も耳を貸さなくなる。例としてオランダで豚の伝染病が蔓延したとき、設備に較べて飼育頭数が過大であるとして20%削減を提案した。危機の当初だったので普段なら猛反対する業界団体もスンナリ受け入れてくれたとか。)
・市民との繋がりが重要。メディアを通して、業界団体だけでなくNGOも通して。嘘は絶対に吐かない事。科学者を市民の恐怖除去に使わず、真実と真実の複雑さの説明だけに使うこと。
○危機後の状況:
・これまでの対応について些細な事でも不信感が高まる。
・市民の継続的な抗議活動が続く。
・色々な利害がぶつかり合う。
・政治的に2極化し対立する。
・補償など財政の問題で国と社会が対立する。
ゆえに対策は皆が纏まって危機に対処する初期ほど良いのですぅ。
・制度不信はコミュニケーションだけでは収まらない。変革への行動あるのみ。
○専門家がしてはならないこと:
・「我々は〜」と言って勝手に科学を代表してはならない。「私は〜」と限定すること。
・科学者として愚直に振る舞うと、時に発言の「良いとこ取り(Cherry picking)」をされて誤解を招く。
・専門的・直線的な考えではなく、包括的な見方で影響まで考えて発言すべき。但し正確さとエビデンスは重要。
・政治家、メディア、市民を含めて一般の人を馬鹿にしてはならない。聞く耳を持ってもらえなくなる。
○公開討論と意見形成:
・パワープレイを除外する。
・オープン性が何より大切。裏でこそこそ参加者を絞るな。
・「科学的に」にすべてを賭けるな。時には哲学者、医者、心理学者、社会学者も必要。
・時には喧嘩だけの時もある。セラピー的対応も必要。
・ただし、お互いの言い分に耳を傾ける対応は最低限必要である。
・最小限の共通基盤確立が大切である。



 つうことで、我らは後で知るバカですたぁ。対応が後手後手に回って社会の不信は止まるところを知らず!嗚呼!





 神楽坂で鼎談を聞く。ウチダー平川ータコ足のトリオ。野田ー安倍ー小沢ー橋下の品定めなど。バカ話なり。