4月23日(月)内と外とを峻別するのは膜なんじゃあ!

 
 終日弱雨しとしと。
 ああ、もう少し経つと、この涼しさが懐かしく思い出されるのであろうねィ。



 つうことで昨日の続き。最近ビールを飲むとコテっと眠ってしまうのですYOー。
2.細胞内小宇宙
 膜蛋白質の立体構造の神経科学:
 膜タンパクってのは、細胞の内と外を峻別する脂質でできた二重の細胞膜の出入りを制御する、とても重要なタンパク質なんすね。ここを通して、色々なブッシツのやり取り(膜輸送体)や、情報のやり取り(膜受容体)が行われまふ。五感の光や音、物理的な刺激や化学物質の刺激もすべてこの膜タンパクの働きを通してやり取りされるのれすぅ。ま、生命活動の基本みたいなものですから人間の遺伝子約2万2千の約30%がこれら膜タンパクを作るためのコードなんれすぅ。

 そしてこの応用例が二つ:ロドキシンとMATE。
 ChR(チャネル・ロドキシン)は藻類から発見された膜タンパクでこれを脳内に誘導して、神経細胞を個別に刺激し、その細胞の働きを調べる手段を提供していまふ。従来は針を刺して調べてましたから、これにより格段の精度向上が計られました。成果としてはオレキシン産生細胞ってのに導入して刺激したらマウスがパッチリ目を覚まして、オレキシンが覚醒ブッシツだと判明したとか。これは遺伝性のナルコレプシー(嗜眠性脳炎)の治療に役立つと。今後、このタンパクの形状を変えて反応速度などを改良します。研究の精度や手段が高度化するのはブレークスルーの要因として期待がもてますね。
 MATEタンパクは膜輸送体に属するもので、細胞内の異物・薬物を外へ排出する働きがあります。通常は細胞内恒常性を保つ良い働きをしていますが、細菌攻撃用の薬物も排出してしまうので、病原菌に多剤耐性能力を与えたりする悪い面もあります。また抗がん剤も排出してしまうので、抗がん剤が効かなくなる原因にもなっています。そしてこのMATEタンパクの機序を徹底究明した結果、陽子がゲートの開閉を制御していることを突き止め、MATEタンパクの形状を少し変えれば排出能力を落とせることが分かりました。これにより耐性菌や耐性がんの攻略に目途がついてきますた。ああ、科学のしむぽは止めようがありまへん。
 束の間の喜びの後、MATEタンパクの働きを阻害したら、細胞の恒常性機能も阻害するのだから、なんらかの副作用のイタチゴッコの悪寒がしますねィ。ああ、化学のしむぽとは斯くの如し、やんぬるかな!

 そう言へば、トリップ(TRPM2)つう膜タンパクが温度をセンスして免疫を強化するって論文があったな。38度を超えると白血球のマクロファージを強化して、細菌を食べまくるんだと。高体温の副作用が現れる前の高熱は、(幼児や老人を例外として)有用なのかも知れまへんねェ。


3.はやぶさサンプル
 数十ミクロンの微細な粒のイロエロな分析から、はやぶさ小惑星イトカワのサンプルを持ち帰ったことが確証されたと。これまでは初期分析。これから国際的な分析チームを選別して本格的な調査に入るんだと。おもすろかったのは、宇宙風化っつうのが証明されたこと。太陽風や引力の蠕動、宇宙塵の衝突などで、イトカワの表面が侵食されて宇宙に放散し、10億年以内に消滅してしまうんだと。一方宇宙科学者は他の惑星のどれかに衝突してしまう確率は、1億年以内に100%と予想しているから、そっちで消滅するのがありうるかも。そもそも20kmの母体が隕石衝突して木端微塵になった破片が500mのイトカワなんすから、また何処かに衝突しても何の不思議もありまへん。
 しかし、このようなストーリーが黄砂よりも小さな微粒子数個の分析で分かってしまいうと言う、我が日本の分析技術力の高さに関心いたしました。日本衰えたりいっ!とか騒いでいるネットオタクにも是非聞かせてやりたいもんだ。グーグルやアップル、フェイスブックなどだけが技術力ではあーりまへん♪だろ?















 ふむ。つらつらおもんみるに、日本の公式的な謝罪は3連ちゃんで深々とお辞儀をすることらすいな。責任の分散?ホントの責任者がちゃんと経緯や原因と今後の対策などを真摯に述べて、もしその対策が成らずんば死しても止まず!ってな覚悟を示しているのを一回も見たこたねえ。三人が深々と頭を下げてお終いって形式主義がすべての悪の元凶じゃねーのかな?タハ