3月28日(水)五感の錯覚を客観たらしめているのは基準原器なのれす

 ぽかぽかと春晴れ、午後一時雨

 ふと気づくと菜の花やイヌフグリの季節。満開の大寒桜にヒヨドリの群れ。

 頼りなき五感の知覚を客観たらしめているのは計測器なのれす。いわゆる「物差し」。変化しない基準原器を元に沢山の物差しを複製し校正してそれを対象に重ねて計ります(つまり移ろいやすき表象を基準に射影して固めるのです)。時間は1日の長さ、距離は地球の子午線の長さ、重量は純水1リットルの重さなど自然界を基準にしていましたが誤差が大きいので合金などの原器を作って基準にしましたが、それでも狂います。今はセシウム原子の振動を時間の基準に、単位時間に真空中での光の進む距離を長さの基準にかえました。重さは白金イリジウム合金の原器を未だに使っていますが洗浄などで1億分の1くらいは狂ってしまうのです。それで今、原子などを基準にした普遍的な基準を検討中とか。精度が質に転化するから単位の基準の高精度化は時代の要請なのれす。時間空間の単位を高精度化していくと特殊相対性理論一般相対性理論を使った補正が必要になってくるから面白い。高度に抽象的な理論物理も、こうして一般の生活に係わってくるのれすぅ。



 ここで一つ問題:灼熱の砂漠で湿度0%の空気と、じっとりと肌にまとわりつく熱帯雨林で湿度100%の空気とでは、どっちが重いでせうかっ?



 おお。今日から六本木でセザンヌ展が始まったんだ。メルロ=ポンティの関係で興味を持ったんだ。画風はじみだけどその手法は後の世に巨大な影響を与えていまふ。一応備忘しとこ。