5月22日(木)蚕起食桑:カイコが成長してクワの葉を食べ始めるころ

 もくもく雲の多い晴れ、午後から雷雨が数次に渡り襲来す。15℃〜22℃。不安定な天候。





 雑談シリーズ:数学と文化

 老数学者とThat's done!す。図形を数式で扱えるようにした「点の位置を長さの組み合わせで表わす」というデカルト座標は実はまったくのコピペだという話し。この座標の大本は紀元前2世紀古代ギリシャの数学者アポロニウスによるものだったのです。このギリシャ語の文献をそのまま翻訳してパクッたのがデカルトなのれすぅ。このギリシャ語の文献を研究するとデカルトの書いたものと構文や用語までピッタシ一致したそーです。

 でもこれはデカルトの罪ではないよね。かれはただギリシャ語を翻訳しただけで、後世の人がそれをデカルトの発案だとしてデカルト座標と名付けただけなんすから。ま、知識は力なりの1例でしょうか。文化の伝搬つうのは知っているもの勝ちなんす。明治期は欧米文化を知っているものが偉かった。昭和ではパリやイタリアのモードを知っているものがアパレルではつおかった。現代アートもニューヨークあたりの影響が強いですよね?新しい価値の創造は文化の交流から始まると。

 とは言え、ギリシャの純粋主義、厳密な理論の弊害はあって小数というのは無かったんすね。半端なものは数じゃなーい、整数・分数だけがまっとう(rational:有理数)で、無限小数などは不合理(irrational;無理数)であるとして数扱いしませんでした。幾何や整数論では精緻な数学理論を構築したギリシャ民族もお堅いところがあったのれすぅ。ま、こういう純粋志向が排除の論理に働いて古代ギリシャは分立・敵対して最後は衰えたと。真善美を追求し過ぎると、こふいふ羽目に陥るのですね。

 無理数無限小数)を扱える精密な理論が欧州で構築されるのは19世紀を待つしかなかったんれすぅ。コンピュータの中の浮動小数点記法ていうのは小数と桁取りの指数部分で構成されてるんす。これが近似値を自由自在に扱って、近代の科学技術を発展させた原動力なんすね。なぬ、経済はですと?お金は整数で充分ですじゃろ。いやしかし交換レートとかいうと小数も入ってくるな。利子の計算も整数だけだはダメだ。でも昔は端数はチップであげちゃったから整数だけで済んだ可能性はあるな。

 とは言えお金は学問より強し!って言ふ事例もあるんだすぅ。もともと日本の位取りは万単位で4ケタなんすが、これが西洋の千単位の3ケタになってもうたのが金勘定の簿記の力。欧米式の複式簿記が導入された時にそれまでの日本の伝統と学者の反対を押し切って3ケタ位取りに変えてしもたから、今でもとても読みにくいんですね。4ケタに位取りしておけば万、億、兆、京などとても読みやすいんですが、3ケタ区切りにコンマが撃たれてるから100万とか10億とか変なところに印が付いてると。ま、尺貫法が無くなった影響に比べればずっと細かいことなんすが。

 ともあれ数学の分野でも文化の争いってのは古代から続いていたんですねィ。一つ、二つ、たくさん・・・って原始時代がなつかすいれすぅ。どもども。