5月23日(月)自らを知らば、百戦あやふからず


 こんにちは。終日曇り、ときおり小雨。北よりの風。
一気に10℃以上気温が下がり涼しい。ツバメを見た。
しまいかけた長袖の下着を掘り出す。



 脳の機能が不全になった症例を見ると、だんだん時間や
空間の認識がしっちゃかめっちゃかになっていって辻褄が
合わなくなります。これを見ると、脳が時間や空間感覚を
作り出していると言う気にもなりまふ。だから因果律とか
自由の観念もそうかもね。カントはこの辺を洞察していた。
人間の意識作用は、物事を辻褄が合うように合理化して作り
直すから、まったくランダムな状態はどーしても脳内では
作れない。外部のサイコロとかに頼らざるを得ない。と養老
さんも言ってたなあ。それで、睡眠は物事を合理化する為に
脳内に蓄積されたエントロピーを整理するためなんだって。
それなら睡眠をする生物はみんな自己合理化を図ってるの
かなあ?小鳥や虫は勿論寝るけど、植物も睡眠するのでせう
か?ネムの樹とか。プ


 さて、動物は種を超えて形態が機能に合わせて同じになる
っつう現象がありますが、ミクロな生体構造が人間が作り
だした外延であるところの機械に似ているという不思議な
同一性もありまふ。


 神経細胞が軸索という足を伸ばす機構も、ブルドーザーみ
たいな無限軌道の動きクリソツなんすよ。細胞内のタンパク質
がイロエロな役割を果たします。


 細胞はマクロでみれば微細ですが、ミクロの世界では巨大
で複雑な一つのシステムであります。核内にある設計図DNA
の指令によって三千種以上のタンパク質を作ります。それを
細胞の各部分にあるイロエロな小器官に運ぶのに精密な物流
システムを持ってます。


 それは核のすぐ側にある中心体(中央駅にあたる)から放
射状に伸びる多数の微小管(レールにあたる)からなる交通
システムです。このレールを伝ってモータータンパク質(貨
車にあたる)が荷物のタンパク質を運びます。


 このモータータンパク質は運ぶタンパク質や動き方などで
沢山の種類があります。面白いことに人間の様に二本足でテク
テクとこのレール上を歩いて移動するのや、リニアモーターカ
ーのように滑って移動するのもあります。自分の何十倍もあ
る荷物を運んだりもします。このアナロジーは誇張ではなく
実際の人間社会の交通システムより複雑かつ精巧にできてい
ます。それに滅多に起きない事故に対する備えも万全です。
だから生物は少しの外乱なら復元でける恒常性があるのです。


 一つの例では一次繊毛内のブッシツ移送がありまふ。これ
は細胞の表面に生えていて、細胞外部のイロエロなブッシツ
を取り込んで中へ送るセンサー機能を持ちます。この繊毛の
中にも微小管があって運搬を担います。大体は外からのブッ
シツを中心に送りますが、時に中心から繊毛にブッシツを
送ることもありまふ。これもある特殊なタンパク質(運転手
にあたる)で向きが制御されます。要するに色んなタンパク
質が色んな役割を果たしているんすね。細胞内には数千種し
か無いですが、細胞の種類も沢山ありますから人体には10
万種以上のタンパク質があると言われてますよ。スゴイ!



 細胞内の輸送システムは緻密かつ複雑なタンパク質制御
機構で成り立っています。とてもとても小さな輸送システム
ですが、一旦この機構に疾患が起きると、エネルギー代謝
に影響し肥満になったり激ヤセしたりと、マクロな人体に
大きな影響を与えます。



ミクロ ッテ スッゴーイ!