12月16日(木)内外(うちそと)文化論(骨絡み)


 こんにちは。終日曇り。気温一桁でかなり寒い。手や耳が
風で悴(かじか)む。風邪は喉から気管と鼻腔に拡大。咳。
(咳は社会の大迷惑れすから咳が出るしとは飛沫を飛ばさな
いよう、必ずマスクをしませうね。)








 「マッチ擦る つかの間海に 霧ふかし 身捨つるほどの
祖国はありや」(寺山修二)


 海に囲まれた日本は内と外を峻別する文化を育んできまし
た。その象徴は「家(いえ)」です。内にはオープンで外に
は閉鎖的な生活習慣のシンボルといへるでせう。
・うちの子に限って。
・うちに来ませんか?
・うちの会社は・・・
・うちの子供は出来がいい
など自分の仲間を「内」とする表現は沢山あります。
「福は内、鬼は外」→「ゴミは外、花は内」と自分の家の中
は花で飾るのに、隣の家の前は決して掃きません。また、
うちのなかは綺麗にするが、外の公園や公衆トイレは綺麗に
使いません。「ごく内輪の話」に参加でければ、もう親密な
仲間も同然。斯様にして我らは長い間に「同調圧力」に弱い
体質を培ってきたのれす。もう骨がらみですねぇ。





 これは人の顔色を見る犬なんかにも受け継がれていますね。
日本はマンション*1でも玄関で靴を脱ぎます。これは外と内を峻別
する一種の儀式なのれすよ。それで一緒に散歩にでた犬も、
そこで足を拭かねばなりませぬ。ご主人様が足を拭いてくれ
るまで大人しく待ってます。しかるにアメリカ犬にはそんな習慣
がありまへんから足を拭こうとすると暴れ回って大変だと、
アメリカに嫁いだ知人がいってますた。何しろ一歩外へ出ると
「七人の敵」が待ってマスカラ、玄関で靴を履いて気息を
整えるのは日本人の心得なのれすよ。プ







 これが家の子郎党が結束して行動する良い面と、異質な
者掟を乱す者を村八分にしたり苛めたりする悪い面とを齎す
のですぅ。ま、これは階層をなす各集団(会社、地域社会、
業界、文化共同体、国家などなど)においても同様ですから、
海外で事故・災害が起きると「日本人の被害者は、日本人の
怪我人は居ない模様」とか現地の人々を差し置いて邦人の
ことばっかし報道する態度にも繫がるのです。どんな民族
にも多少こういう傾向はありまふが、日本人のは度が過ぎて
肝が小せえとわいへるでせう。嗚呼、ミジメ也。

*1:これも誰が言い出したか不思議な呼び方。ふつうマンションといえば語源は邸宅のことで、いくら憶ションでも集合住宅はアパートメントというのが世界の常識。ま、それを言い出せばキリが無いくらいのトンでも呼称はイッパイありますからねぇ。ガラパゴス島内では言った者勝ちとか。ウフッ