10月21日(木)生命をその総体としてではなく、分析的に捉える試みが幾分か進展しておじゃる丸

 ごんぬずば。ちょと鼻かぜぎみ。終日煙雨しとしと。多分
20℃は超えてない。やせ我慢してないで、そろそろ長袖を
着よ。











 今日はちと固めなお話し。むかしバイオリズムなんて流行
ってたよね。これが近年生命科学によって実証されつつある
とか。












 生命の時間つうのは「不可逆性(覆水盆に還らず)」と「
反復性(繰り返すリズム)」の2要素があります。これは生体
の奥底(DNAなど)に深く刻みつけられております。環境、特に
地球の自転や公転に生命体が適応した結果れすぅ。最近、体内
時計の機序が大分分ってきました。その大元は視神経が左右
交差する辺りにあると。そして体内の各所(胃、腸、肝臓な
どあらゆるところ)にも時計細胞が分布してまする。これは
電波時計に似たシステム時計を構成してまする。体内各所の
多少不正確な時計細胞を中枢の正確な時計細胞が指揮統一
してまする。













 で、これが狂うと鬱などの精神疾患のみならずあらゆる体調
不良を引き起こすのだと。この時計に関連する遺伝子20個あ
まりと、その中の主役酵素が既に特定されているとか。これら
酵素は光過敏性はあるが温度に対しては一定に働くつう不思
議な性質がありまふ*1。だから、体内時計の校正には光が有効
なのだとか。











 閑話休題:この体内時計が寿命に影響するのか?っつう実験
がマウスを用いて行われてます。人工照明下で1.24H周期で飼
う。2.1週間に8時間づつ時間を早める。3.同様に1週間
に8時間づつ時間を遅くする。どれが寿命を縮めたと思います
か?
実は2.が早死にしたとか。1.と3.は寿命は変らず。だか
ら諸君が世界一周する時は西回りにしませうね。つつしみ慎み
マウス。(ジェットラグ(時差ぼけ)は西行き(時間が遅れる
方)が楽なのです。これはぼくも実感してまする。)















 さて、最近またしても新しい発見がありまして脳の中核(
正中隆起部)に体内カレンダーつうのがあると。これは日照時
間の長さを感知して季節性ホルモンを分泌します。春にはウキ
ウキする春ホルモンが、また秋にはもう休みたいなあという
多少メランコリーな秋ホルモンを出して熊やヤマネを冬眠さ
せます。メラトニンつう光に反比例するホルモンと体内時計を組み
合わせて季節性ホルモンを分泌させるとか。しかし、この機序
は未だ研究途上にて詳しい酵素の種類や働きはまだ判明してい
ません。でも後、数年で分るかな?多分。














 前述した体内時計による24時間リズムの狂いは、各時刻
に活性化する30余りのホルモン量を計測することで分るよ
うになってきました。その診断に基いて光や各種薬剤を用い
た治療が可能になり、昼夜逆転した変人やCA、守衛さんなど
不規則就労者の健康管理に資するとか。年々科学はシムポし
てるのれす。
















 さて、ここで問題となるのはバベルの塔も斯くやと思われる
人類の不遜!遺伝情報が全て明らかになった今日この頃、次
なるターゲットは人工生命(まづは人工細胞)を創ってみよう
かとの試み。これは機序と情報さえわかればスグに(と言って
も50年くらいかな?)でけることですぅ。でも、その前に
たった1個の受精卵が各種機能細胞に分化・特化し60兆個の
細胞から成る生命体に至る発生機序の研究が必須れせう!














 これこそ、生命の「不可逆原理」、決して後戻りできない宿
命。全ては細胞から始まる!細胞には記憶や学習、はたまた
感情や気分がありや無しや!生命への挑戦は今まさに始まろう
としておりますのぢゃあああぁぁぁ〜〜〜!!!













ジャンジャン

*1:通常酵素は温度に対して過敏で10℃違えば3倍も働きに差がでます。しかしこの酵素は温度に対してその働きは不変という能力で、体内時間のブレない物差しと言う機能を果たしているわけです。エライですねぇ。