9月9日(木)日本古来ぢゃなくって明治以来の風習の狭間で呻吟する若人たち

 こんにちは。曇りのち快晴。俄か秋風が涼しい。
重陽節句は菊の花。盃に菊を浮かべて月ごと飲み干そうで
はござらんか、月見酒。










 もぎりのけんちゃんが新卒一括採用で企業を激怒ツイット。
真っ白な眼で合理的に考えれば、なんでこんな制度が熾烈な
国際競争下の現代にまで続いてるのか?っつうそもそも論は
あるよね。旧世代の生きた化石ではないのかと。














 わたすがテケトーに思案するに、これは明治以来の富国
強兵の名残ですな。明治期に見よう見真似で国民国家を作っ
た時に、帝国陸軍の伝統に「星の数より飯(めんこ)の数」
という不文律が形成された。これは「階級や資格よりも経験
だよ」という生齧りに在りがちな似非経験主義に根ざしたも
のなんですぅ。














 これが前大戦の敗戦をも乗り越えて、現代日本にまで引き
継がれた「同期の桜、終身雇用制度」の根幹なのダス。雇用
が流動化して、随時、適材適所だったら同期会なんてのは維
持できないわな。シニアリティ(ベテラン)を敬いルーキー
を庇い育てるってのは古代の軍隊からあったけど、日本の企
業社会はこれが行き杉てしまったのれす。特に体育会系や芸
能界にはこのメンコの数ってのが色濃く残ってまするね。
(ちなみに、エド・エラには隠居を敬う風習はあっても、
かような年長者、同期信仰は無かったような希ガス。)















 ですから、いくら能力のある子供にも「飛び級」ってのは
認めないし、同期で一人が出世すると他の者は天下りさせれ
るし、同期でない途中入社者は差別されるし、いわんや派遣
のしとは郷士のように差別されます。如何に非効率であろう
とも、一丸となって突撃し団体戦のうちはイイですが、ネット
で個人の資質が問われる時代になると、これはもう制度疲労
どころか社会文化疲労でにっちもサッチモ逝かなくなりますぅ。















 でも、終身雇用、同期会体質の既得権者はイロエロと理屈
を捏ねては現体制の維持を図っとるぅ。ま、身を捨てる大志
がなけりゃあとてもこの変革には付いて行けまへんねえ。
なぜなら彼らの若い頃は、「年取ったら給料も上がるしイイ目
を見るよ。」とたぶらかされ、サービス残業低賃金労働に勤し
んできたのれすから、「何で今更あ!(怒)」ってな気持ちも
分らないことはない。しかし、ここは企業戦士!また再びお国
の為に犠牲になって、社会変革の犠牲になって貰おうぢゃあー
りませんか。変革期には、何処かにシワ寄せは行くもんですぅ。













 「ここは明治を何世紀♪ はなれて遠き現代の♪
赤い夕日に照らされて♪ 友は野末の石の下♪」(戦友パロ)














 しかし、かかる星霜を経た問題は、単なる一企業の問題に
非ずして、文化・習俗そのものを具現しているからして、
その変革には、社会をぶっ壊すくらいのエネルギーが必要でせ
うね。(こんなことを言うと、評論家引っ込めえええ〜!とか
怒鳴られそうですが。)でも、ホントなんだよ。だいたい敬語
を絶滅せにゃならんね。それと一人称と二人称の呼称を、せめ
て片手くらいに縮減せなならん。大学の総長だって「ヘイ、
ジュンちゃん!」つうくらいにフレンドリィにしないと機能し
ないね。それで社会全体の風通しを良くして初めて、労働市場
もオープンになろうってなもんだ。














 でもね、社会の大変革には、余りにも既成勢力のエナーシャが
大き杉て、数多の犠牲を齎すんですね。これを乗り越えるのには
、もう利他の精神しかねーぜよ!撃ちてし止まん、死して止む!
歳の功より亀の甲、ヘイヘイなおちゃん、初心に還ろうぜい!














 しかし、この日本民族のしがらみはつくずく深いってってのは
幼稚園からリクルートまでの軍隊的なユニホームの単一性に思い
致せば、ちったあそっとでわ変りようがありまへんがな、もし?

















追記:
 その後、メチルで痺れたおつむで考えたんすが、職人とか
技術・工芸の世界では若年にしてその道に入り、生涯全うする
という生き方はあったな。これと、新卒一括採用との相関は
あるのか?いや無い! 受験にしろ、新卒一括採用にしろ、
生涯只一回の機会を、関ヶ原と定め、それで人生を決めてし
まうのは潔けれども、余りにも余りにも狭い了見ではあるまい
か?ヨーロッパの職人は、渡り渡りの旅鴉で修行を積み重ねる
って手もあるのれすぅ。日本は土着し杉れす。ね?