2月2日(月)興に乗って進化の例など纏めてみた

こんにちは。晴れのち曇り。風はおさまり穏やかな天候。
まだまだ受験のシーズンは終わっていないのでしょうね。
緊張した面持ちの若者の姿を良く見かけます。加油(ジャーヨウ)!






 せっかくだから展開の例を二三まとめておこう。
変異が中立で毒にも薬にもならないときは環境による選択(淘
汰)が働かず形質はそのまま残って蓄積されていきます。
このときその形質が集団中に残るか消えるかを決めるのは
「ランダム・ウオーク・モデル」という酔っ払いのふらふら
歩きのような確率過程に従います。集団のサイズが膨大で
なければこの数学モデルでその形質が集団全体(100%)に
行き渡るか、無くなる(0%)かのどちらかに落ち着きます。
これが進化中立説です。





 例1)ビタミンC
人はビタミンCを体内で作れませんから、その摂取に目の色を
変えて「レモン10個分?」とかのコピーにすぐ騙されます。
ライオンとか大部分の哺乳動物は体内で自分で合成できます。
お猿のなかのホンの一部だけが作れません。これはある時期
樹上に上がって木の実や若葉などビタミンの豊富なのが主食
になった時期からです。この時期の変異のひとつにビタミン
合成酵素の欠けたのが出来て、その時は食物から取れてます
から毒にも薬にもならん中立的な変異として保存されました。
それが類人猿をへて、人間まで残り、実際に肉や穀物などが
主食になってみると困った事になってる訳ですぅ。





 例2)洞窟魚
これは光のない世界で進化したものですから、もともとは
脊椎動物として立派にあった目が無くなってしまいました。
これは目を作るタンパクが変異によって影響をうた遺伝子で
作れなくなりました。普通の環境ならこの個体はスグに滅ん
で形質も消えますが、洞窟環境では中立だから残った訳です。
しかもその同じ遺伝子変異はアゴを強くするタンパクを作っ
たので、これがポジティブに働き洞窟内は全部目の無いのに
なりました。逆にモグラなんかは目や視神経はちゃんと出来
るのですが、環境刺戟が無いので衰退したものでこれとは異
なりまするよ。





 例3)赤血球
赤血球をつくる遺伝子のうち酸素を吸着するタンパク質を
つくるのと、形を保つタンパクを作るのとがあって、ある変
異が後者に起きた場合、機能的には特に不都合が有りません
から中立として残った。たまたまこの遺伝子がマラリア
強いタンパクも作るので熱帯地方の人類には歪んだ血球の
人が多くなったとか。






 例4)コオリ魚
南極にすむコオリウオは零下でも血液が凍らないタンパクを
持っています。これは血液を造る遺伝子中に中立変異が蓄積
されその基は熱帯の魚にもあるのですが、南極が分離して
寒冷化した2500万年前に小さな変異によって活性化され
中立変異から適正変異になりました。このとき寒冷でドロドロ
になる赤血球も作らなくなって透明な血液になっただよ。
ズーッと眠ってた中立変異が環境によって呼び起こされた例。






 かように中立変異の蓄積と環境刺戟の織り成す連綿とした
糸くずによって進化が成り立っているのだと。ムズカスイ
で、或る変異がどれ位どの時期に起きたのか?つうのを調べる
学問もあって、これは地層や放射性炭素などから調べる古生物
学と分子進化学が結びついて発展しました。たとえばヒトの祖
先と旧世界猿が分かれたのはおよそ3500万年前と地質から
分かってますが、今の人間と旧世界猿のDNAの違いを調べてそれ
35で割ると、100万年に何個変異が起きるのかが分かりま
す。それでこれを使ってヒトとチンパンジーのDNAの違いを調べ
ると約700万年まえに分岐したことが分かります。人とチンプ
の共通祖先の化石は残念ならがら出てきませんが、このように
すると年代が分かるわけですぅ。(それでね、ヒトとチンプは
99%は同じDNAらしいんだYO。逆に0.1秒チラ見しただけ
で全部記憶してしまう瞬間記憶能力はヒトよりも優れていたり
してますねぇ。)






 それで、これらの膨大な遺伝子データを分類・整理・検索
してこの分野の発展に貢献したのはコンピュータを駆使した
情報科学の力なのだあ〜!って、威張ってどーする。






 ふ〜、ちかれた。けど乗ってるときに一応纏めておきました。





 まだ不思議なのは蜜蜂とかは女王しか子孫を作れませんが
働き蜂の性質はどうして伝わるのかなあ?とか孔雀やヘラ鹿の
ような生存に不利な過剰装飾がなんで保存されてんのかい?
とか一杯イッパイ出てきますから興味は尽きませんねぇ。ププ