10月20日(木)複雑な生物相の背後に、シンプルな原理とは

 こんにちは。概ね曇りときおり薄日。北寄りの風、20℃前後
と涼しい。無花果を買ってきた。全部食べたら唇が少しかゆ
くなる。






 パンダは何だ?つう記事が出てた。肉食獣の熊なのに数万
年で竹ばっかし食う草食獣に変わっただと。だから腸の長さ
も肉食獣並みに短いです。あまりの短期間ですから遺伝的に
肉体を改造するのは間に合わないと。それで外部の助けを
借りました。即ち、腸内細菌によって今まで食べれなかった
竹を消化でけるようになりますた。





 パンダの腸内細菌を調べてみたら案の定20種類の(セル
ロースを分解する)菌が出てきました。しかもその内の7種
類はパンダ特有のものでした。その細菌の助けを借りてほと
んど栄養の無い竹の繊維を食べれるようになったのれすね。





 生物の環境への適応の仕方にはイロエロとあるのだす。
・共生
・遺伝多型
自然淘汰
 上記の例は共生による適応れすね。植物と昆虫の共生など
沢山ありまふ。昆虫では腸内細菌を入れ替えると食の好みま
で変わってしまう例もありまふ。我ら人間も腸内細菌叢が変
わると好きな食べ物も変わるのかも知れまへん。これは所謂
一つの棲み分けに有効かも。





 あらゆる生物種はその種の範囲内において個体差すなわち
遺伝多型を持っていまふ。この範囲で環境への適応を果たす
には、元々の多型が広いほどイイといへまふ。人類も多型の
範囲は狭いと言えども、病気や放射線などに対する強さが皆
異なりまふ。みんな違ってみんなイイ。環境の激変に対して
何処かに生き残るものがいればまた増えて地に満ちまふ。







 自然淘汰(自然選択)に関してはもう言うまでもありまへ
んが、淘汰圧(より生き延びやすい形質を選ぶ圧力)がなく
ても選択は起こり得ます。所謂「中立進化説」ですね。進化
に関して益も害もないけれどある集団の統計的偏り(ランダ
ム性)によってある形質が選択されると。しかし淘汰圧があ
ったほうがより速く進化するとはいへるでしょう。捕食され
ずに如何に効率よく食物を得るかとか。しかし他者の目を経
た選択の方がより強く淘汰圧を及ぼすという説もあります。
性選択とか支配者(ドミナント)選択とか。生きてく上では
何の意味もないけれど、異性に選ばれやすい形質は残るとか。
あるいはその紀の支配的な生物にとって好ましいものが残る
とか。










 現在はホモ・サピエンスが支配的ですから、ヒトに都合の
イイ生物、ヒトが好ましい生物が地上に蔓延っていますね。
栽培植物や飼育動物が地上を席巻しています。本当の野生は
地上のほんの片隅に追いやられています。これも三葉虫や恐
竜の世界から見れば生物の適応の一種かもしれんですぅ。










 さて、ここまで縷々玉虫進化論を述べてきましたが、本当
に言いたかったのは冒頭に戻って、進化の帝王なんて存在し
ないのですよ。敢えて捜せば、それは目に見えない微生物た
ちでしょう。あらゆる多細胞生物の生存を陰で支えている彼
らがいるからこそ、ここまで多様な生命環境が可能になった
わけです。地下深い地球の全表面から深海、地表や海中、大
気圏や極地など地球のあらゆるところに遍在し、生命をコン
トロールしている生命の帝王は決して人間ではなくって、彼
ら微生物たちなのれすよ。









 これに気付けば、明日から毎朝ヨーグルトや食物繊維を採
って、腸内細菌に感謝しましょうね。見えないところに真実
があーる!と。














グー、ボン、グート、ハオハオ














追記:ゲノムの中に存在してるのだが、休眠していた
遺伝子を環境の変化が再活性化する、ってのもあった。
これが意外と即応性があってイイかも。但し、あんまし
休眠してると退化しちまうらしい。DNAの世界も結構
淘汰が激しいのれすよ。ぷ


日本人が海藻を消化する酵素が多いとか、遊牧民にはミルク
を分解する酵素が多いとかいうのはこの範疇だな。多分。


煤煙の多い街の蛾が黒くなったつうのは、多型の選択だな。
多分。