11月29日(土) 平等の不平等か不平等の平等か

こんにちは。晴れ。だけど雲の多い晴れ。うんうんうんうん
渡り鳥たちがどんどんやって来るぞう。楽しいね。






 何でも一律というのは良く見かけます。一見公平のようですが
実は何の知恵も戦略も無い無策の際みでしょう。思考停止です。
楽です。指示は簡単ですが、効果は半分も期待できません。





 例えば誰かが宿題を忘れたとします。連帯責任で全員立っとれ!
と命じてもちゃんと宿題をやってきた大多数の者の不満をつのら
せるばかりで、場合によってはイジメを誘発するかも知れません。






 例えば不景気の時、全社一律経費5%削減などと大号令を発する
アホな経営者がいます。これは旧陸軍の精神論と同じで何の効果も
ありません。経営陣はその時々の状況に応じてメリハリを付けた
経営を行うために高給を貰っているはずです。例えば新製品開発の
ピークなら開発陣は経費10%増加、製造部門は10%削減など。
また開発完了して発売時なら営業部門は20%増加、他の部門は
10%削減など。それらの指示は成功するかもしれないし失敗する
かもしれません。しかしどちらにしても一律よりかは百倍イイので
すぅ。失敗した場合でも後々の参考になりますから。






 で、今回の一律給付金。何処かの埋蔵金を鼠小僧のようにばら
撒きます。何の策も無く、拙速に、すごい費用を掛けて、金持ちも
中流貧困層も猫も杓子も平等に。それはお金とは無いよりも
有った方がイイでしょう。いや喉から手が出るほど欲しいひとも
多いでしょう。でも2兆円を政策意図を持って有効に投入したのと
較ぶれば、それはまるで砂浜に撒いた水のように何の痕跡も残さず
に吸い込まれて消えてしまうでしょうね。トホ







それにそんなバラマキよりも医療や福祉など老後の安心感を充実さ
せて個人金融資産1400兆円の一部でも吐き出させたほうがよっぽど
内需が拡大しますぜい。今の日本は華僑やユダヤのように金を握っ
てないと安心感が持てない世相なのです。なんでもかんでも金次第
、地獄の沙汰も金次第。で老人はかね溜め込むのですぅ。
たらたらと遊んでたあいつが楽をするのは許せない!などとアリと
キリギリスみたいなことを言ってたら福祉というものは成り立ちま
っせん。一所懸命に働いてたまたま運が良くて金を儲けたものは
それを幸運として社会に寄付するのが競争社会のアメリカの伝統で
あります。みみっちい金持ち根性は微塵もありません。これはアメ
リカの良いとこの一つですぅ。カーネギーとかフルブライトとか
名前は残せますけどね。ビルゲーツもなんか作ってたな寄付して。
引きかえ、日本ではあの世まで金を持っていこうと我執して戒名に
高い金を掛けたり、醜い遺産争いを引き起こしたりとイイコト・
ナッシングー!









 それに何より心理学的にはみんな平等だとあまり嬉しくないので
す。幸福とは絶対量ではなく比較量だという嫌な認識もございます。
東京のホームレスはブッシュマンの金持ちよりもイイ暮らしをして
ますが、多分ふつうのブッシュマンよりもしやわせでは無いでしょ
うね。北京なら月収5万円で金持ちですぅ。生活費も安いですから。
もちろん「しやわせ」は複雑な概念ですから修行僧のしやわせと
銀行員のしやわせとはその質も量も違うでしょう。多分。








 それに或る個人を取って見ても、ずーっと桃源郷のような所に
住んでたら生活の一様さからその内にしやわせぢゃ無くなるでしょ
うね。多分。どん底を這い回って努力して努力して漸く手に入れた
しやわせのほうが質も量もずっと大きいと思います。多分。






 だから一律とか一様とか平等とか安定というのは自然界ではあり
えないマヤカシであり、なんでも薄めて詰まらないものに変えて
しまう悪魔の舌先三寸なのれーす。アホウアっソウアソウソウカ