10月16日(木)名月を見ながら、世はこともなし


こんにちは。快晴。爽やか。夜半には気温も下がってきて、蟋蟀の
か細い声が途切れ途切れに聞こえてきます。コロ、コロリ・・リリ







「あ〜あ、なにも起らないし、なにも面白くないし、生きてる気が
しねーよ。」なんて贅沢を言ってはいけません。ふつうのことが、
何も起らないことが、どれほどしやわせかはそれを失ってみて分る
こと。ほんのすこし想像力が残っていれば分かります。







たとえば、突然歯がキリキリ痛くなると心はもう歯のことで一杯。
あ〜、この歯さえ治ってくれたら何も言う事はなーい。なんて歯
だけが価値観に変ります。これは歯だけぢゃなくって、指先切って
も脛を怪我しても、頭痛でも腹痛でも、仕事がうまく行かなくって
も、彼女に振られても、友人と喧嘩しても、なんでも同じかな?







「あ〜、これさえ無ければ、これさえ克服できれば、これさえ治れ
ばなあ〜」とか言ってても次々と「これ」らが出てきて限がない。
だから、何もないときは「ああ、今は最高の状態なのだ!」と思い、
何かあったときは「ああ、生きてる実感がするなあ。ま、しばらく
これに付き合うか。」とか誤魔化して、どんなつらいことも「これ」
らに格下げできればいいけどなあ。難しそうだけどね。





ま、のらくら生きるのがしやわせ。なんか姑息だけれど、どう生き
ようとそれはおのおの方の分でござれば、よしなに。や、よしなに。