4月23日(火)高齢化社会の象徴は救急車のドップラー効果かな?

玉虫備忘録:

 概ね晴れ、朝晩雲多し。15℃~23℃、47%。花粉少ない。ホムホム 公園の花壇で、多数写真を撮る。ついでにハーブを少し失敬する。ども。

 

 

技術雑感:

 ときおり世の技術界をのぞき見するに、大発明は少なかれど着実に進歩している分野はありまふ。光技術がこのところ思わぬ展開を見せております。レーザー光という一定波長で極めて高エネルギーな光の応用は、プリンタや材料切断、手術のメス、光通信などイロエロな分野で利用されています。レーザーは物を熱するというイメージがありますが、レーザー光で原子を絶対零度に近い超低温まで冷却するという技術が開発されました。

 気体状の原子は温度が高いと、あらゆる方向に高速で動いています。この動きが遅くなると温度も下がるというのが熱力学の知見です。すなわち、この運動が止まってしまえば絶対零度になります。では気体原子群にどーやってブレーキを掛けるのか?そこでレーザー光の出番です。原子にはそれに特有の波長の光を吸収してブレーキが掛かるという性質があります。だからその周波数のレーザー光を当てると、原子の動きにブレーキが掛かります。でも原子はあらゆる方向に動いてますから、たまたまレーザー光に対向する原子だけは減速しますが、他の方向に飛んでる原子は減速しません。

 ここでブレークスルーを齎したのが、進行波に特有のドップラー効果です。例えば音波だと、発生源が近づいてくると高音(短波長)になり、遠ざかると低音(長波長)になります。レーザー光を原子の固有ブレーキ周波数より少し低く設定しておくと、ドップラー効果で向かってくる原子だけが減速されるようになります。こうやって6方向からブレーキを掛けると、原子群にどんどんブレーキが掛かって、最後には絶対零度に限りなく接近して行きます。

 で、そんなものを作って何になるのん?という疑問も湧きますが、これが今流行のけた違いに高速な量子コンピュータに応用できるんすよ。現状は大きな設備で液体窒素などを使って低温にした量子状態を利用してますが、レーザーを使えばもっと簡単に極低温を達成できます。量子シミュレーション以外にも、超電導や物性物理、宇宙工学など応用分野は多岐に渡っておりまふよ。

 そー言えば宇宙は膨張しているという説の証拠とされている「赤方偏移」もドップラー効果だったです。光は電磁波の一部ですが、音波や超音波など、波としての性質にはイロエロとおもすろい応用があるもんですねィ。ダハッ