11月26日(月)くさやで一杯やってて思い出したことなど。

 晴れときどき曇り。7℃〜18℃、49%。昼間は少し暖か。街路樹の紅葉もだいぶ進んできましたよっと。




 臭いものに蓋とは:

 臭覚ってのは視覚や聴覚のように遮断が難しいので、同じ匂いに対して嗅覚疲労ってのが起きて、あっという間に感度が鈍くなるんですぅ。こりを馴化と申しまふぅ。でも違う匂いに対しては、ちゃんと機能するからしむぱいあーりまへん。匂いは、往々記憶や感情に結びつけられて、記憶や感情を呼び覚ます契機になったりします。また異性の好悪なども、かなーり匂い依存の割合がつおいとゆわれます。

 時折り進化人類学者などが、「思春期の娘が父親の臭いを極端に毛嫌いするのは、近親交配を避ける遺伝的本能なんであーる!」と訳知り顔で唱えたりしてますねぇ。こりはホントかどーか分かりませんし、ちゃんとした統計的な研究もみたこたあーりまへん。更に、人種間の差別などでも、「あいつらは臭い!」とか、臭いを差別の象徴にしたりします。「お前の言動の方が、よっぽど臭いんだよ!」とか、つい言いたくなりますよね。でも、臭いってのは、別に蓋をしなくてもすぐに馴れちゃうんですぅ。

 海外を旅していると、ある街にはそん街の独特の匂いってのがあって、街に着いたときはとても懐かしく感じられます。でも2,3日住んでると、全く匂わなくなるんですぅ。つう意味では、匂いは新しいものを探知する感覚器だと言えないことはないと。

 世界で一番美味いものは、世界で一番臭いものの傍にある!とは良く知られた事実です。思わず「オエッ」となって涙が出そうになる臭さこそが、美味の元とは、なんたる感覚の不思議さよ。こりも嗅覚はすぐに馴れちまって、後に残るんは美味だけっつう感覚のパラドックスから来てるんす。

 だいたいその臭さは腸内異常発酵したうん古やどぶ泥はたまた肥溜めみたいな臭いでやんすよ。焼きたてのクサヤや中国の臭豆腐、韓国のホンオフェももんどりうって引っくり返るほどの臭さですぅ。でも臭さと旨さの王様と言えばスウェーデンのニシン発酵缶詰@シュールストレミングの右に出るものはあーりまへん。一滴服に垂れたれば、そのにほいは生涯とれないという伝説もあるくらいでやんすね。でも、これらの美味を楽しめるのも、嗅覚がすぐに鈍麻しちまう賜物なんすね♪


 子供の頃は、時代劇見て「くせ者!」とか言うのを、臭い人かと思てたですが、ホントは「ひとくせある怪しい奴」と言う意味だったと後日知りました。「くさいっ」というのは、幼児がかなーり早い段階で覚える語彙ではないでしょうか?生きる上では視覚や聴覚よりも進化的に根源的な嗅覚は、動物界において4次元的な世界像を構成する上で、重要な役割を果たしております。すなわち、色々な臭源の3次元的な分布とともに、どれくらい前にその臭源がそこを通ったかの時間痕跡をも辿れるんですぅ。

 いや〜、匂いって凄いですねぇ。ではまた。サイナラサイナラ