4月25日(木)霜止出苗(しもやんでなえいづ)、苗代に青葉がいずる頃

 雲の多い薄晴れ。16℃〜22℃と暖か。最近番いのヒヨドリがブルーベリーの花を啄みに来てこまる。


 遠い天体を調べて何になるんだ:
 天文学で宇宙の不思議を調べたって何の役に立つんだっ!という向きもおります。工学・経済学などと違って直接人間社会の役には立ちませんが、世の中の見方(世界観)をがらっと変えたりしてくれます。「地球は青かった」で国境の人為性を際立たせたり、宇宙や星の成り立ちは人生に色々なインスピレーションを与えてくれたりします。ですから天文学は理学というよりは、むしろ文学に近いのかもしれませんねぇ。人生の手段を与えてくれる工学と、人生の意味を考えさせる天文学のどちらがまさっているかは人それぞれの価値観ですが。ハレハレ


 人間に果たして理性はあるのか:
 漁業資源の枯渇とか海洋汚染とかの問題を考えるときの古典に、"The Tragedy of the Commons"(共有地の悲劇)と言ふG.Hardinの論文があります。共有地とは周辺住民が自由に放牧をしても良い牧場です。牧場には牧養力という限界があって、それを超えて放牧すると牧草が復活せずに荒れ果てて放牧ができなくなります。これが私有地だと、そんな無茶をして牧養力を失えば牧場として使えなくなりますからだれもそんなことはしません。でも共有地ではどうしても俺がもう1頭増やしたって影響は1/nだろ!とか思ってn人が同じことを始めてしまいます。それが重なって最後には牧養力の限界を超え、とうとう1頭も飼えなくなってしまいます。良心<利益に傾き、理性さえも感じれませんが、これが人間性の本質なのか同様の事例は方々で起きています。今回のユニクロ世界同一賃金ニュースを読んで、ふとそんなことを思い出しました。「俺だけなら大した影響はないだろう」と思ってみんながやったら破滅するって事例は製造や人材の海外シフトなんかが典型的なんじゃないですかねぇ。そのうち本社も海外に移して、家族も海外に移住して、誰もいなくなったと。どやろ? 仮に世界連邦がでけたとしたら案外こんなもんなのかなあ?人間の理性ってこんなもんなのか、はたまたもっと違う叡智が隠されているのか?これはわたしにも分かりまへん。グローバリズムと多様性は根本的に背反するような気がしますし、多様性を残したままのグローバル化って想像もでけまへんのや。しかも世界が単一文化、単一基準に標準化されたなら、ちょっとした擾乱でホロン部のも速いですぜい。ドヨ~ン