2月10日(金)複雑な世界にシンプルに対処してはいかんぞなもし



 こんにちは。北のち南寄りの風。晴れ。3℃〜8℃と暖か。
浪のような筋雲が蒼穹を動いている。蜜柑のような夕日が
富士山にストンと落ちた。富士の半分位あるほど大きい。











 人は首をチョンパされれば氏んじゃうのに、切り花はなぜ
しほれないのれせうか?これが植物のロバストネス。何万年
も生きれた訳だわな。根っこが無くても、水に浸かってれば
気付かずにしばらくは生きてまふ。











 ときに生死の意味を世代交代で語る者もおーる!後がつか
えちゃうからとか。仮に宇宙が無限ならば、いくら増えても
良かんべえ?いや、身体性の意味ではなくして、たましいと
いふ見地からはですねぇ。












 ふと最近の免疫学をごろうじるに、サイエンスの本質を感
じたる次第。少し前までは、免疫機構が自分を攻撃しないの
は自分を攻撃する免疫細胞は自死アポトーシス)しちゃう
からだと思われておった。しかしイロエロな自己免疫疾患を
研究するに、そういう免疫細胞の自死が自己免疫の主因では
なく免疫細胞の中に自分を攻撃する働きを抑制する性質を持
つのがいるからだと分かってきた。















 つまり役に立たないのや悪いのは殺せ!じゃなくって、更
生させようよ!って方だったんだ。良い奴だけ選別しようよ、
ぢゃなくって多様性の中で良い働きをするやつを増やそうよ、
ってことだったんだ。これが免疫機構の不思議。もちろん1
か0かぢゃねいから、自分を攻撃する免疫細胞が自死するっ
て機序もあるにはある。でもそれが全てじゃなかったんだね。















 それでイロエロな自己免疫疾患(免疫機構が何かのはずみ
で自分を攻撃してしまう病気)の治療にこの免疫を抑制する
免疫細胞が役に立つんじゃなかろーかっ!とおもて研究して
るんだが、(免疫機構だけじゃないが)人体の働きは塞翁が
馬のように良いことが悪くまた悪いことが良いといふ繰りか
えしだから、一筋縄ではいかんわな。















 諸君もある一方向だけに向かう理屈を見たり聞いたりした
らば、直ちに眉に唾をつけたほうがええど。何事につけ自然
界には一方向などといふ現象はナインですぅ。ある作用の活
性化には、その何倍もの抑制が必ず付随しますのだ。そーで
なくっちゃ暴走して壊滅してしまうからだ。これは人体だけ
に限らない自然の不思議じゃね。















 大自然の一部たる人体の不思議は、どっかを弄ると回り回
って全体に波及するってな複雑系に起因するんですね。こり
はマクロには環境や生態系にも、ミクロには細胞内器官の働
きにも全部通底する原理なんす。だから浅知恵でちょっとイ
イことが見つかるとホイホイ適用しちまう工学的なおつむに
は余程の注意が必要なんだ。クスリがある状態では毒に変わ
る医薬だけではなくって、社会に有用なエネルギーにも注意
が必要な所以です。ども。
















ガチョ~~~~~~ン