7月5日(日)火事と喧嘩は江戸の華


 こんちはー。薄曇。蒙気立ちこめ遠方かすむ。今年のつゆは
こんな天気が多いな。でも僕には傘を持たない位の確信はあった。





 新宿つうより代々木のほうが近い紀伊国屋南館に行って来た。
我が愛する食い倒れタローくん*1がネッチリむっつりのたまき
ちゃん*2と対決するってんで、これは見逃せない。お題は「科学と
非科学のあいだ」ライアル・ワットスンの評価に関しての論争。







 ま、二人とも科学的な還元主義の限界については一致してんだ
けどね。環ちゃんはラカニアンでタローくんはどっちかっつうと
ホリスティックなお方。根は合わないけど、流石に体育館の裏
での殴り合いにはなりません。環ちゃんは相手を連続性一派で
全体は部分の総和ではありえないっつう神秘主義に傾きがちな
思考停止を危惧してる。一方、タローくんはすべてが分かってる
訳ではないのだから余裕を持とうよ、つう余裕派。ま、こういう
気質的な壁を乗り越える術はむずかすいね。二人ともライアンに
関しては科学者というより預言者、詩人でしょ?つうとこは一致
してたよ。二人の科学観を述べ合っててこれは面白かった。








ここでわだすの理解:
 デカルト的な還元主義がもともとの科学の発祥なんですが、
あらゆるものごとを疑いまくることをもって諸学の基礎として
るんですぅ。「理性を正しく導き諸々の科学における真理を探求
するための方法序説」って長ったらしい題名の本で述べてた。


1.いかなる事柄でもまづ疑う事!
2.多数の小部分に分解する事!(還元主義)
3.シンプルから複雑なものに認識を再構築する事!
4.最後に完全なる列挙と広範な再検討する事!


つうのが近代科学のキモ。それで再現性、追試反証性が必須。
これを厳密に適用したら殆んどの学は科学ぢゃなくなるぜい!










 だから断言つうのが科学の最大の敵なんだよな、ホントは。
最近のテレビは科学を黄門様の印籠にしちゃってるからね。
脳科学にもこの傾向はある。モギモギリンは脳で分かってる事
は少ないと言ってんだが、お付の電通がこんな曖昧性は許しま
せん。しかし脳科学ブームは90年代の心理テスト主義の焼き直し
とか言ってたけど、あの頃はタコさんが活躍してたしなあ。









 科学的でないからすべてダメだっつうのは余りにも言い杉で
、一つの思想潮流だと思えばポジティブに生きれる糧になるん
ぢゃねーの?科学なんて疑問が疑問を生む学問なんだからね。
両者の言い分はよっく分かったけど、ぼくは気質的に道頓堀氏
のほうが好きだな。環ちゃんの根底には嫉妬があるね。明るく
前向き杉な人に対する本質的な嫌悪感とか。(これはぼくの
ヘンケンかも)









 最後に1Q84に対する評価もやってたが、この辺はぼくは
興味がなかった。タローくんはライトノベルもどきとして評価せず、
たまきちゃんは見事な隠喩とかで絶賛と、こんなとこにも気質
が出ててワロタ。







 もう少し殴り合いを期待してたんだけど、そこはそこはかと
なく二人とも大人だから、最後はなあなあの〆だったのは残念!

*1:福岡伸一大先生

*2:斉藤環先生