5月2日(土)生命科学も細分化されてて隣は何をする人ぞ


 こんにちは。晴れ。夏も近づく八十八夜。野にも山にも若葉
が茂る。






 我が侭な性向:例えば普段遅刻ばかりしている人が一念発起
して1時間前には仕事場に出勤したとする。そうするとぎりぎり
に駆け込んでくる奴を見るとイライラするんだよ。コレハオレ
 例えばようやく禁煙に成功したとする。そうすると歩きながら
かなり前方でタバコを吸ってる人がいたとすると、これまたイラ
イラするんだよ。コレモオレ
 例えば、夜中に呼び出されて急遽記者会見なんかやらされたと
する。そうすると原因発生元に電話が繋がらなかったりすると、
とってもイライラするんだよ。まだまだ長丁場なんだから焦って
もしょうがないでしょ。コレハボウダイジン 一人でも日本人に感染者
が出たら大学は休校にするのかな。多分するでしょ。ビビリンチョ







 連休でやることもないからガッコに行ったら生命科学シンポジウム
なんてやっていた。一応先端学術の紹介など。医学・薬学など
でもゲノムとか細胞学、タンパク合成などが使われ始めた。
人体には7万種のタンパクがあって、各細胞の中には80億の
タンパク分子が存在している。こんな膨大な数じゃ目が回るか
らタンパク質の形(フォールド構造という)1000種に分け
て、これをテンプレートにして創薬するんだと。




 あとペプチド(アミノ酸2個〜数十個からなるタンパクの素)
を自由に合成して分子工場で自由に創薬する最先端技術などの
紹介。骨の再生医学の前線。普通骨は軟骨が出来てその中に骨
と骨髄が後で出来るのに顔面骨はつらの皮が厚くなってそのま
ま骨ができる古いタイプみたいだ。あと関節軟骨の摩擦係数は
氷と氷の摩擦係数より2倍もすべりがイイらしい。これは驚き。
でも使い杉るとゴジラのように痛めちゃうよ。ここまで午前中。






 午後は比較的人間とか植物に関したものが多かった。
味覚は魚類以来の伝統器官で有機体識別には旨み・甘みの嗜好
受容体と苦味の忌避受容体がある。これ以外に酸や塩の無機受
容体があり計5つ。ネオクリンという甘みタンパクには酸味を
甘みに変えてしまう味覚修飾活性があり、これを分子動態シミュ
レーションで解析。酸を甘みに変えるノンカロリー甘味料として
注目を集めている。




 生体内ミネラルとして重要なマグネシウムの細胞内濃度を一定に
保つ生命メカニズムを細胞膜の分子動力学シミュレーションで解析。トランス
フォーマーという膜タンパクの形態変化で出入りの制御を行っている。
 葉っぱは青とか赤の光を使って光合成を行い緑は使わない
から緑色に見えるという俗説が否定された、葉の内部で複雑
な反射を重ねているうちに緑色光も有効に使われている。し
かも表面では青色赤色が光の弱いところでは緑色が上手く使
われている。森林としても光は有効に使われるので全体とし
て見ると森は黒っぽく見えるのだよ。
 光合成は光子電子変換カスケード40段からなる天然化学
合成プラントであり生物の生命全てを支えている。世界総消
費量の10倍に近いエネルギーを生物体に蓄えています。
50種のタンパクと葉緑体からなる複雑なプロセスには未だ
解明されていない未踏の機構がたくさん残っている、嗚呼。





 チンパンとヒトの差よりチンパンとゴリラの差の方が遺伝子
的には大きい。そういう見地からはヒトは特別なチンパン
1種といえるのだ。ヒトは森から離れ社会を作り社会認知能力(
模倣、共感、他者理解、言語、教示など)を発達させ文化、文
明を築いたサルです。オス同士の強い絆や協同狩猟、家族での
協同保育が進化の進化の選択圧と見られている。ヒトは宿命的
に一人では生きられないのですぅ。




 動物の比較行動学:体重41kg以上は筋力学的には飛べな
い。水中の巡航速度は秒速1〜2メートルと0.5kgの海鳥から
10トンのクジラまでみんな同じ。これも筋力学的に推論できる。


 知性を生み出す脳の働き:脳は生態リズムを使って空間ー時
間のパターン認識エピソード記憶をしている。つまり同期式
コンピュータのようなもの。主にシータ・リズム(3〜7HZ)で記憶
・認識しているので、人間の認識分解能は1秒間に7回程度と言
えるでしょう。何も考えていないときの基底状態では8〜13
HZのアルファー波が出てます。脳はシステム的には部分と全体
をリズムで纏めていると言えるでしょう。



 ヒトと常在菌の超有機体:人体はヒトゲノム(遺伝要因)と
常在菌ゲノム(環境要因)からなる超有機体と言えます。60
兆の人体細胞と数百兆の常在菌(口腔、腸管、皮膚など)は
お互いがお互いを必要としている共生関係にあります。ヒト・
ゲノムは30億塩基対が全て解明されましたが、1000種以上いる
腸内細菌叢をそのまま纏めて解析するメタゲノム解析が2008
年から始まりました。腸内細菌をターゲットとした創薬や診断
のバイオマーカー開発が期待されます。




以上13報告の抄録終わり。




「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれは
どこへ行くのか」(P・ゴーギャン


ああ、未だ道(未知)遠し。