2月5日(土)東風解凍(とうふうこおりをとく)。人(脳?)は環境の生き物と言へり。

 薄雲が掛かる白っぽい晴れ、のち薄曇り。0.4℃~9.2℃、27%。8900歩。北寄りの風やや強し。乾燥注意報。所要があって早稲田方面に進出す。入試で構内には入れない。

 コヴィッド情報:都の新規感染者数は21122人(うち543人はみなし感染)。だんだん高齢者や疾患を持つ人に広がってきますたよっと。ブルブル

 

 人は見えるものしか見えない:

 この言明はトリビアルなことを述べているように見えますが、そーではない。すなわち、見えないものは見えないということです。アリッ?

 これは脳の認知機能にも大きく関わっていることで、元々何もできない産まれたての脳は、外界からの刺激に反応して機能を獲得していくので、環境にないことはできなくなってしまうんす(脳の可塑性?)。

 この分野では有名な実験(ブラックモア&クーパー)があって、産まれたての子猫を縦縞しかない環境で育てると、その猫は横縞が見えなくなってしまうそーです。視覚野のV1というところに縦縞認識細胞しか育たないので、横縞が見えないんすね。邪(よこし)まなことが見えないくしやわせかも?でも縦に分類される模様の中の微妙な角度を識別する能力が発達するそーです。これは脳の補償作用ですね。

 一般にこれ(脳の可塑性?)は視覚だけではなく全ての感覚野にも適用できると考えられ、さらに感覚野以外の脳機能にも使われていると考えられます。例えば環境の識別と言語機能の対応においては、ある特定の環境に応じた識別能力が発達すると思われます。

 白一色の雪や氷の世界で暮らすイヌイットの人は雪や氷を指す言葉が20以上あると言う。また身近に馬と暮らすモンゴルの人は馬の呼称を10以上持つという。四季の色彩にあふれたヤマトビトは色彩の表現が極めて多様です。

 もちろんヤマトビトには白の区別はできないし、イヌイットの人は馬の区別などできません。このようにヒトは環境によって造られた生物と言えるので、その環境にあるものしか見えず、その環境に無かったものは見ようとしても見えないんすね。そこんとこヨロピコ。