1月9日(木)喉元すぎれば熱さ忘れるとは。

 快晴!5℃~15℃、32%。北寄りの風やや強いが、昼は暖か。お月様がだんだん肥ってきますたよっと。

 

 人災とは:

 災害に起因して人がその被害を更に増幅してしまうことを指す。これを防ぐには何が重要なのか?わだすは普段見えないところ、影での補助作業、非常用の手段、縁の下力持ちが大切だと考えます。

 普段から見えている通常機能、基本機能、主要な機能は誰もが気にして注意を怠りません。しかし、普段は見えない補助機能は見落とされがちなんすね。こういうところに目が届くようなシステムが災害時の人災を防ぐことになります。

 例えば昨年の台風19号で電源が喪失した武蔵小杉の高層マンションでは、地下に電源設備があったのが敗因でした。地上にあればそう簡単に水没しません。この時も、それに気が付いて事前に土嚢を積み上げたところは無事でしたが、地下にまで目が届かないマンションは大打撃を受けました。

 雑居ビルの火災では非常口や非常通路が原因で災害が大きくなることが多いです。普段使っていないところに荷物を積んだりしているからですね。

 見えないところは無視ってな心理が一番大きな災害を生んだのが、福島第一原発の事故でした。発電しているところに電気が来ないなんてありえな~い。補助電源なんてどこにあってもおんなじ~!見えないところにお金を掛けるなんて無駄です~。なんて心理が透けて見える対応ばかりして、海辺の地下から非常用電源を移動しませんでした。

 福島第一原発はもともとアメリカ設計の原発を導入したもので、しかも建ってからかなーり古い原発でした。元の設計はアメリカ内陸部用でしたから、電源喪失は竜巻やハリケーンが想定されてて、補助電源を地下に置くことはそれなりに合理的でした。でも日本の海岸に同型を導入するときに、最も重視すべき非常用を軽視して、そのまんまの地下に設置したのが誤りの元。その後、見直す機会は何度もあったのに、そんな使うか使わないか分らんところにコストは掛けられん!とそのまんまの状態で大津波をむかえた悲劇でした。

 今でも大規模サーバーとか病院とか、国家の枢要な施設とか、非常時にフェイルセーフでなければならないところはたくさんあります。果たしてそのような施設で、見えないところ、普段は使わないところ、非常時にしか役に立たない所に関心やコストが払われているでしょうか?まことに疑問に存じます。どもども。