9月23日(金)雷乃収声(雷が鳴らなくなる頃)、ブックフェアに行く。

 終日弱雨しょぼしょぼ。20℃〜22℃、88%。




 東京国際ブックフェア

 恒例の(と言ってもわたしの中だけですが)ブックフェアにゆってきました。年々規模は縮小されていますが、なお470社100万冊出展の規模があります。参加している人が皆、本好き!って顔しているのも興味深い。20%オフなので日頃高くて手が出せない本を中心に爆買い!洋書も特別価格で販売しております。著名人の講演をタダで聞けるのも魅力の一つだすぅ。今日は林真理子内田樹茂木健一郎の講演を梯子しました。ちょっと頭痛が残ってて、半分寝てましたが。タハハ

 本屋さんの娘であらせられる林氏は本屋業界落ち目の話しで、ぼやきが多くてあんまし面白くなかったです。今、日本全国で1日2軒の本屋さんが廃業しているとか。それは図書館の爆買い(ベストセラーだと100冊とか)や、座って読める本屋、喫茶本屋、ビール本屋などの影響であろうと。世界10兆円の売り上げ規模の内、日本は1.8兆円あったが、今や1兆円へと急速にダウンしていると。だから出版業界を目指す若者も激減しています。とここで寝落ちしますた。スマソ

 次はタツルちゃんのお話し。これもぼやきから入りました。大学の没落とか。あと役人の堕落とか。本も事前に効用が分かる商品的なものと、読んで見ないと価値の分からない非商品的なものに分けられる。前者は実用書などで前からあるが最近この類が増えてきた。非商品的な本が、本来の本であり食料や教育と同じくなければならない無時間モデルである。各人各様の受け止め方があって、全く先が見えない展開が特徴です。そして他者性、外部性の穴に引きずり込まれ、拉致されると。即ち他者の身体、他者の感情の中で世界が見えるようになります。今の自分を離れて、本の中に吸い込まれます。少年の頃の「若草物語」や「飛ぶ教室」が原体験で、他者への憑依能力、共感力は少年の頃しか身に付きません。外国語が他者へのあこがれや、自分をメタ化できる能力を養うようなものです。最後にまたぼやきが出て、日本のバカ度は増々昂進していると。バカとは物事を上手くできない人の事で、今の日本はヒラメのYESマンしか出世できません。そこら中にプチ独裁者ができて、トップダウンしか認めません。自己評価の高い人は自己肯定的でいい面はありますが、必ず独裁的になります。なぜなら独裁者は自分を公平に見れないので、讃美者しか認めないのですぅ。日本の効率主義と株式会社化が独裁者とその追従者を生み出しているんですぅ。・・・それではどーするか?ま、とりあえず本でも読んで、バカが消え去るのを待ちましょう!ホゲホゲ 変な落ちでしたぁ。


 さてどん尻に控えしは、もじゃもじゃモギケン大先生ですぅ。これは人工知能と本のお話し。でもちゅかれたからまた後で。どもども。

 追記:モギケン氏のお話し。「不屈の棋士」という本を読んだ。AIと棋士が対戦する本ですが、滅びの美学が感じれます。人間はミスしますが、AIは何万編の棋譜を覚えて活用するからあんまりミスしません。自分の実力を上げるには、ミスする人間よりかミスしないAIのほうが良いのかも知れない。ビッグデータに基づく統計的学習はその規模からいってダントツにAIの方が有利である。人間が付き合えるのはせいぜい150人規模ですが、AIは何百万人を分析できます。論文だって判例だっていくらでも記憶できます。いわゆる一つの横綱と子供相撲の勝負です。第一ラウンドで人間完敗ですね。

 しかしここで信州の別荘に滞在していた頃、バナナ半分で感激したホリエモンがイイこと言ったあああ!「AIは色々な料理を覚えて、どんなレシピでも出力できるが、自分自身では味わえないのだぁ。」と。AIは色々な業務を評価関数により最適化できるが、主観やクオリア、しあわせは決して最適化できないのです。ビッグデータ手法で統計的処理をしても、平均的しやわせは算出できるかもしれないが、個別の幸せは決して理解できません。本を読むのも同じようなアナロジーがあって、「小説はそれを読んでいる時間(体験)の中にしかない。(保坂保志)」1回限りの経験は、統計やAIでは扱えません。

 最近、成功とは才能に関係なく、ただただそれをやり続けた人が手にするものである。「GRIT」という本が出た。それはやる気よりも、むしろ習慣化が鍵であると。「赤毛のアン」を若い頃から読んでいるが、読むたびに違う感慨、新たに気付くことがある。運命を受け入れる潔さが幸運を与えてくれるとか、自分が大嫌いで欠点だと思っているところ(赤毛)を、他人は一番好きだと思っていた(ギルバート)とか、可能性を捨てた所から真の幸せを見出すとか。ビッグデータで経験・体験は作り出せない。読書という体験は、自分の中に蓄積し決して消えないのであーる。体験の基盤、クオリア、私と言う感覚、時間の流れ、身体感覚の不思議さ、これらのものはAIに徹底的に欠けているものである。AIのように振る舞う人が出世する世界よりも、主観的体験に人間の本来の価値を見出す人々の方が幸せだと思う。偏差値による分類よりも一人一人の掛け替えのなさを大切にしたい。読書もそのような体験を与える大切な時間です。
どですかでん?・・・なお、この講演はYOUTUBEで声だけ聴けます。 https://www.youtube.com/watch?v=7I49EgFNGtQ