5月17日(金)数は抽象の極みって普通は気が付きませんが

 
 五月晴れ。13℃〜23℃。爽やか。ふむ、雨模様が後ろ倒しになりつつありまふね。


 裏腹シリーズ:数
 数覚ってのはパッと見て数を把握する能力でこれはメダカからおサルまで皆持っています。いやむしろおサルの数覚の方がヒトより勝っているかもしれません。数を抽象化して言語化した数詞は人類が何万年もかけて獲得した能力です。未開社会では数詞は1.2.3・・・たくさん、くらいしかあーりまへん。でも彼らは何十匹もいる飼育動物を一目見ただけで1つ欠けたのを見分ける数覚はあります。人間でも一目で数量を把握する数覚は幼児ほど発達していますが、言葉を操れるようになると、その能力は失われてしまうのれすぅ。直観画像把握能力と抽象概念操作能力の裏腹といへるのではありませんか?ども。

 とは言え、数の抽象化たる数詞に至る道は容易いものではありませんでした。2個の果物、2羽の鳥、2日、・・・という事象から共通の2と言ふ数詞を取り出せたのは20万年の新人(ホモサピエンス)の歴史の中でホンの数千年前に過ぎないのですぅ。失った数覚以上の利益がそれからもたらされたのですぅ。食料や富のたくわえの管理、農耕や牧畜に必要な暦の作成、土地測量や天候予測、建造物の設計などで古代文明を栄えさせ、それが現代の科学技術にまで続いています。でも失ってしまった数覚は今でも時折サヴァンな人の能力に現れることもあります。床にばら撒かれた楊枝の数を瞬時に把握できるとか。ああ生物ってホントに不思議ですねぇ。ホワーン