9月15日(土)動物の精神は外部の化学物質によってもかき回されますのだ

 ぷかぷか雲の多い晴れときどき曇り。今日もギリギリ真夏日。26℃/30℃(98%/65%)夕立があるかな?とおもたが降らなかった。


 ある情動が経験や学習によるのか、先験的に決まっているのかを判断するのは結果論的に見ても極めて難しい課題です。匂いに関してはその感覚器が脳幹の記憶や情動中枢の近くにあり、感情の変化に対して大きな影響を持っています。嫌な臭い、危険な臭い、好きな香り、快い匂いなどの区別は先天的なのか、はたまた経験・学習によるのか?
 今般そのごく一部がマウスの実験により明らかになりました。匂い分子は鼻腔内のテッペンにある嗅細胞によって感知されますが、このゾーンは腹側部、背側部という二つに分けられます。遺伝子操作により背側部の嗅神経を除去しても腹側部の嗅神経で匂いは正常に感知できることが確かめられました。
 しかし何かおかしなことが起きました。このマウスは匂いは感知できても、普通ならすくんだり逃げたりする天敵臭にたいして何の反応もしないのです。平気で猫の懐に潜り込みトム&ジェリー状態が発生しません。また腐敗臭にも顔を背けません。つまり匂いはすれども価値判断が全くできなくなってしまいますただ。
 これにより匂いに対する情動の基本的な部分は遺伝子により先天的に決まっているのだということが、少なくともマウスでは立証されたわけです。ま、生死や繁殖に関わるかなーり本質的な部分ですから学習や経験など時間のかかる手順を待っていれなかったんでせうね。どーも彼奴は虫が好かんなんてのも先天的に決まっているその人の臭いが原因かも知れませんぜぇ。
 ま、一つの救いは嗅覚の強い順応性で、同じ匂いはあっという間に嗅覚疲労で感知できなくなってしまうことです。たけしのギャグ「鼻糞のにおい!」なんてのは決して臭わないのですね。これは匂い情報が強力であるだけに常時感知していたら精神が疲れ切ってしまうので、臭いの変化だけを強調しているためです。
 嗅覚は最も原始的な器官ですが、他の感覚と違ってその識別能力は数万種類と極端に多く、まさに生命現象を一手に引き受けていると言っても過言ではないほど奥が深いのれす。でもね、「んじゃ、犬の方が人間様よりか偉いのかよ!」とかいふ下らん比較はしないでね。プ






 備忘:そだ、どこかに哲学カフェってのがないか探してみよう。いっちょ他流試合をしてみたいのだ。この世界は多様だけど、この世界の見方の方がもっと多様だと思うかられすぅ。ども。