浅知恵よりも自然の知恵に任せよ

快適さはその分量よりも、質にあるのであろうか。
一日中パチンコをして得た満足よりも、一時間の読書からより深い満足
が得られるであろうよ。ぷ

「山のように考える」(1949.A.レオポルド)
狼を頂点とした山全体の生態系バランスを考察したもの。
自然公園に生息する鹿を保護する為、オオカミを駆除したところ
鹿が増えすぎて山全体が荒れてしまい、逆に鹿も全滅してしまったと
いう話。
一見、正しそうなことでもやり過ぎてバランスを崩すと致命的になって
しまうというベタな教訓。

これは中国で「穀物を食う鳥は悪い鳥だ」として雀をみんなで獲って
しまったら、蟲が大発生して凶作になってしまった。つう笑い話にも
似ていますね。
これらの逸話は、「単純な正邪の判断基準で計画的に事を為すとき
危険性は限度を越える」 という原理を分かり易く説いています。



それ故、生態学者は善悪の規準を次のように定めた:
「事物はそれが生物共同体の統合(Integrity)と安定(Safety)と
(Beauty)を保つ傾向にあるならば正しい。そうでない場合は間違い
である。」



生態系ピラミッドの食物連鎖が複雑に成る程、系は安定で豊かであり
純化するとリスクが増大する。という経験則もあります。
そういう意味から単純化した生態系の極みは農地であるとか。



それで森林監督官などの人間は増えすぎてバランスを崩した生物を
「間引き」したりするのです。しかし、現状の地球環境のバランスを
崩している最悪の暴君「人類」を間引きしようと提案する学者はまだ
誰一人おりません。人間中心主義の限界と云えるでしょう。
(う〜ん。暗い話題になってしまったね。なにげに、子猫殺しを
思い出したよ。これも情と論理のはざまでしょうね。)