ルサンチマン

やはし師匠の分析は確かだ。ブログにも物凄い芸の差ってあるな。
摑みからオチまで客を飽きさせない構成ってあるんだ。噺家以上だね。
でも努力が客からミエミエつうのも興ざめ→三銃士。


俺は未だ表現力の訓練中で、とても起承転結にまではドタマが回らない。
ブログの存在意義とか何故ブログを書くのかとか一切考えない。自分が
楽しけりゃぁ続けるかい、という極めて自己中な日記タイプですぅ。
で、イチブンとか書いて急に思い立ったから「武士の一分」を観て来たよ。


できたばっかしのでかいシネサイトなのだが、おばさんばかりだったな。
それなりに良い映画だった。きむたくがやや浮いてたが脇がしっかりと、
固めてたね。苦い映画だが山田洋次が独特のユーモア&ペーソスを醸し出してて、
泣けた。(って、おれ何を見てもすぐ泣くんだけどね。タンジュン)


だいたい、秋口になると黄昏て「葉隠れ」とか「五輪の書」とかでジックリと
氏を見つめるんだが今回は硫黄島から始まって少しつらい。「共に氏するを
心となし、必死すなわち生くるなり。」などと唱えて盲目の剣士が一分を
守りに行く。普通ならここで玉砕なんだが、「谺返し」という必殺技で、
辛うじて勝を制すという藤沢周平おなじみのストーリー。


ゲルマンの思想家にはこういう氏を見つめたのが多いような希ガス
「君主の道徳、奴隷の道徳」とか。生に執着したものは奴隷になり、逆に
生を捨てたものは勝を拾う、とか。で、君主の徳目は「寛容」「シンプル」で
裏が無い。奴隷は裏にルサンチマンでとても複雑。これはニーチェだけど、
思想と実際の人物とは裏腹でとても弱い優しい人だったらしいよ。