続き

昨日のエントリを見てたら、思い出したことがある。武士は食わねど
高楊枝とか。西鶴諸国咄に載ってた「大晦日あはぬ算用」というやつ。


「浪人者が大晦日に年越しの算段もなく女房の実家に工面を頼んだら、
思いがけず、10両もの金子を都合してもらえた。そこで、日頃親交の
ある浪人仲間を7人呼んで宴を披いた。(この辺はなんとも情けないが)
『貴公らは10両もの金子を拝んだことが無かろう』と一座に
まわすと戻ってきた時は9両になっていた。詮議になったが、つと、
行灯の陰から1両が投げ込まれた。その後、女房が重箱の蓋に貼り
付いていた一両を見つけて、計11両になってしまう。そこで、主人の
浪人が1両を返そうとするのだが誰も名乗りでない。しかたなく玄関に
1両を置いて、一人ずつ退出して貰ったら、その1両はいつの間にか
誰かが持ち去っていた。」


と、まあ概要ですが、武士の道徳ってものを物語っているではありま
せんか。誇りというか面子を命よりも大切にする。おれは必ずしも
全面的に賛同する者ではないが、ジーンとくるものはあります。
無断でURLもはっとこ。http://inkas.or.tv/koten/ofo1.htm


しかし、浪人者ってサラリー・マンになりたくて仕様がないのに
なれない人だよね。現代の官僚を含めたリーマンはもって瞑すべしい。