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哲学噺し:現象学的還元。
人間は言葉を覚えた時点で既に無垢ではありえません。言葉、概念、意味でからめ取られてしまったからです。ちなみに自分のまわりを見てみると、そのすべてが何らかの意味を担っています。用途とか効用、目的と言ってもいいかも。本、PC、スマフォ、机、床、ドア、・・・すべてに名前がついて意味を担っています。表に出れば、イロエロな草花、虫たち、動物、建物、道路、河川、・・・すべてに名前がついていて無意味な存在はありません。月世界のように荒涼とした名前のない世界は、人間世界にはもうないんですね。すなわち完全に先入見を捨てて現れる現象をあるがままに見るという現象学の要請、即ち完全なる還元は不可能ということになります。
豆知識:
・現象学のフッサールと生の哲学のベルクソンは二人とも1859年(日本だと幕末?)生まれです。
・実存哲学のハイデガーと分析哲学のウィトゲンシュタインは二人とも1889年(日本だと明治22年?)の生まれです。ついでにヒットラーとチャップリンも1889年生まれです。
・夏目漱石は1867年の生まれなので、丁度大政奉還の年ですね。フッサールとハイデガーの間の年代です。フッサールとハイデガーは30歳も年が離れていましたが、当初とても仲が良かったです。しかし次第に考えの違いが顕在化して疎遠になりまひた。