8月14日(月)温暖化だからといって、冷夏がないということはない。

 終日細雨しとしと降ったり止んだり。24℃〜25℃、82%。涼しい。久しぶりにプールだん。






 映画とは:原一男監督

 「ゆきゆきて、神軍」というふる〜い映画(1987年という30年前!)を見た。生還者数%という過酷なニューギニア戦線の実像を、生還者の取材を通して描き出すドキュメンタリー。部下を処刑した上官を、部下の友人の兵隊が追うというストーリーで時には暴力沙汰になるという過激さ。しかし生き残ってきた人はみんなシブトイ顔をしてますねぇ。その顔を見ているだけでも飢餓をくぐってきた過酷さが分かります。でも、40年も経つとみんな一見普通の生活人の顔をして、良い家族に成り切ってます。それを狂気の元部下が暴き出すという迫力!この人はカッとすると何をするか分からないという経歴で、戦中でも食料を独占する隊長をなぐったり、戦後は、傷害殺人で服役したり、天皇にパチンコ撃ったり、皇室ポルノをばら撒いたり、角栄殺すとかの本を書いたりのしっちゃかめっちゃかな人ですが、戦友の墓で涙を流したりする。最初は、頑なに口を閉ざしていた上官たちが、徐々に重い口を開いていき、事件の真相に肉薄するというサスペンスタッチもあります。・・・すかす、実際に最後まで口を割らなかった部隊長を殺しに行き、その息子を拳銃で傷害するという字幕で終わりましたが、この主役自身も戦争の犠牲者なのではないのか?という思いも示唆します。

 戦争の記憶が、どんどん抽象化されていき、美化される昨今、激しい感情と共に現代に戦争の悲惨を蘇らせる傑作!ご縁があれば是非見るよろし。日常時と戦争時との人間の振れ幅が良く分かるぞよ。ゾ、ゾー


 ノンフィクション・ドキュメンタリーと銘打ってますが、裏話として、ホントは9割フィクション(編集と言う意味で)なんだって。2時間の映画の13倍ものフィルムを編集して作った作品です。捨てられた方の残りのフィルムも歴史の証人として見てみたいですねぇ。それでも尚且つ、真実の10%もフィルムは写し取れないだと。ストーリーの大枠は原監督が作って、それに沿って出演者は知らないまま、踊らされてるって感じですぅ。でも、最後は殺人未遂までさせちゃうんだから、クリエーターつうのも罪深いと言へるでしょう。当局に没収されたニューギニア編も見てみたいなぁ。それでもホントのホントの真実には肉薄できないのが、この人間世界の実情で、こりはカントも唱えているところ。かな?どもども。