9月28日(木)蟄虫坏戸(ちっちゅうこをはいす)、虫たちが地中に姿を隠す頃。

 夜中は豪雨だったらしいが、日中は雨降ったり止んだり。24℃〜16℃、67%。




 古典芸能とは:

 小さな集まりで「女流義太夫音楽の夕べ」を聞いた。義太夫はもともと人形浄瑠璃が発展したもので、語りと演奏で成り立つ古典芸能である。元来、日本の芸能は歌舞伎や能など男だけの決まりが多く、義太夫もその例にもれなかったが、江戸初期に女流義太夫ができて大いに流行ったとか。人気の大夫には追っかけが発生し、それが今のオッカケの語源になってます。それから280年。一時は300人以上いた女流義太夫も、現在は20人程度だとか。

 狭い場所での三味線の音は、かなり迫力があって胸の奥底の情念を刺激します。映画音楽じゃないけど、義太夫の語りに、メリハリと情景描写、心理描写を付けるのが三味線の役割、単なる伴奏ではなくして主役なのですね♪情景描写の例として、「女が走る」、「武士が走る」、「女が泣く」、「男が泣く」、「子供が泣く」の描写の違いを演奏してくれました。また、イロエロな動物(きつね、とら、へび、わし、さる、など)を演奏で表現するなど、音楽の描写力を実演してくれました。

 こうした風情の描写には永年の稽古が必要ですが、これを「腕固め」と称する。特に練習教本は定形化されていないので、師匠についてかだらで覚えるしかありまへん。また、最近西洋クラシックなどとの競演の機会が増えて、譜面通りに正確に音を出すように求められますが、多少のゆるみがないと、三味線が歌ってくれないとか。これも音で例示してくれましたが、きっちり音を合わせると確かに深みが足りません。

 最後に、三味線を分解したりしてその構造をおせーてくれましたが、やはしこれは日本工芸の粋を集めておますねぇ。素材そのものも希少ですが、今では作る人もいなくなってしもたと。それで近隣の長唄、小唄、常磐津系統の三味線作家が、義太夫用の大きな三味線も扱うようになったんだって。古典芸能も維持するのが大変ですねィ。


 すかす、明治以降の鹿鳴館マネマネ文化を、底で支える日本文化はやはしモノホンの古典芸能ですから、これらが廃れると日本には「モドキ」しか残らなくなりまふよっと。マージャン仲間で小唄の名取りがいるけど、こ奴は日本核武装論などを唱えている。古典芸能がこういうのに結びつくのは良くないが、人柄は温和だから、ま、いいか?人格と思想とは区別して付き合ってるからねィ。ベンベベンベン♪