9月22日(日)時を隔てた奈良からの手紙

 曇りがちな晴れ。24℃〜30℃。蒸し暑さぶり返す。有楽町駅前では物産展。里芋アンパンつうのを食べる。人出多し。それでも虫の音は多くなりました。チリチリチリリ 居待月





 古代からの贈り物:木簡(木片に書かれた史料)

 「木簡」ていう古代からのタイムカプセルの話しを聞きました。今で言ふとゴミ箱に捨てられた膨大な紙屑から、当時の社会情勢を再現するプロジェクト。日本中から既に38万点を超える木簡が収集されてまふが、この殆んど(25万点)は7〜8世紀の平城京からのもの。1961年に始めて発掘されてから約50年間の実績です。まだ推定量の1/3しか発掘されてないから120万点を超える史料が期待できます。

 木簡は当時の支配階級(貴族や官吏)が使っていたもので、今で言うとメモ帳面ですぅ。紙もありましたが高価ですから、メモは木片に書いて要らなくなったら削れば簡単に消えます。あと荷札や付札、高札なんかでの利用。これらメモの断片が古代のゴミ箱から大量に発掘されたのれすぅ。

 これらの発掘により、古代の正史、「日本書記」、「続日本書記」などが大幅に見直されたそーですぅ。やっぱし恣意的な意図の入った歴史より、本音の洩れるメモ帳面かな?でも大筋の流れは正史の方がしんやうが置けまふ。詳しい実績は買ってきた資料によって確かめるとしても、長屋王の無実とか、郡の書き方が実は評だったとかの事実が明らかになりまひた。

 あと官吏の日常とか、何を食べてたのかとか、物流とか、地方との交流とか、勤務評定とかイロエロなことが分かってきますただ。これら木簡のうちで解読されたものは全部ラージデータベースに入れられ、テキストのみならず書体とか書き順とか中韓との文字の違いとか、古代の人名とか、7種類以上のデータベースが既に出来ていて研究に供されとりもす。

 また読み辛い文字や欠けた文字を再現するアプリも充実してきて、解読(釈読?)できる木簡が増えてきますた。あと発掘や保存の技術も大きな発展を遂げ歴史資料としての重みを増々増しつつありまふ。歴史の分野でも技術開発が先導しつつあるんですねぇ!今後の古代史の歴史修正に期待するものが大であーる♪(でもお金が足りないから今日買った資料の利益は、発掘・保存の活動に回すんですと。)


 う〜ん、このような地道な努力が歴史の闇を照らしてくれるかもねぇ。期待age!








 追記:おもすろい木簡

 平城京から出たもので、「此所不得小便」(ここでオシッコをしてはいけません)という注意書き。これは官吏が城内でいつも立小便をしていたのか、庶民がある程度文字が読めたのか?のどっちかですね。プ





 追記2:折角ですから発掘・保存技術の一端を。

 木簡が保存されるのは、バクテリアによりて木質が分解されないことが条件です。1・寒冷凍結地、2・乾燥地域、3、低酸素な水底、湿地、などがありまふ。日本では大部分が3.の水びたし地帯ですね。井戸とか地下水のある溝、土坑とか。あと敷地の地固めにも木簡が利用されたとか。
 んで、保存は劣化を防ぐ方策が必要。その要因は1・UV(紫外線)、2.乾燥、3.バクテリアとなります。ですから保存剤を徐々に浸み込ませて凍結後に真空乾燥などの手法が取られます。今後、千年も万年も伝えねばなりまへんからねぇ。ジャン



 今日は極めて学術的な一日であったな。さて、ビールでも飲みながら百倍返し最終回でも見るか。ではごめんなすって。どもども。