3月8日(木)こぶとりばあさん(たまむし民話より)

 終日曇り、ときおりパラパラ



 むかしむかしあるところに、二人のこぶとりおばあさんが隣り合って住んでいました。
ふたりともこぶとりに悩んでいましたが、片方は無欲なばあさん、もう片方は欲張りなばあさんでした。
 ある晩のこと無欲なこぶとりばあさんが鬼の宴会に出くわし、踊りを披露すると鬼は喜び翌晩も来て踊るように命じました。そして、明日来れば返してやるとお腹の脂肪を「すぽん」と傷も残さず取ってしまいました。
 その話を聞いた隣の欲張りなおばあさんが、それなら自分の内臓脂肪も取ってもらおうと夜更けにその場所に出かけると、同じように鬼が宴会をしていました。
 隣のおばあさんも踊りを披露するが鬼が怖くてへっぴりごし、どーにも鬼は気に入らない。鬼は怒って無欲なおばあさんから取り上げた脂肪を欲張りおばあさんのお腹に入れるとそのまま去ってしまいました。
 それから無欲なおばあさんは内臓脂肪が無くなってすっきりしましたが、欲張りおばあさんは内臓脂肪が2倍に増えて、こぶとりから大ぶとりに変わってしまいましたとさ。ジャンジャン