11月22日(火)この世界は複雑なのかシンプルなのか時々分からなくなる事例


 ごんぬずば。高気団にスッポリ包まれて快晴なれど気温低し。
13℃行ったかなぁ。所用で本郷から上野まで歩く。不忍池
には渡り鳥がちらほら。














 今日もコンピュータの話しを少し。


コンピュータ内では浮動小数点という形式で数字を表示しま
す。これは実数が扱いやすく精度や桁の表示にとても柔軟性
があるからです。お金の計算だけなら整数だけで十分だけど
ね。無理数超越数って無限桁でその実態は神のみぞ知るな
んだけど、普通の実数だって実は無限精度で神ならぬ人間に
は最後まで把握できないってのが本質。















 昔、ニュートン古典力学を完成し惑星の動きを精密に
予想できるようになった頃はまだ科学もロマンチックな時代。
ラプラスという学者がある思考実験を考えた。「世界中にあ
る全ての物質の位置と運動量を知りうる存在(悪魔)がいた
とすればその後の世界の動きは全て計算可能であーる。」と
行ってこれをラプラスの魔と称した。運動方程式によって未
来は全部計算可能であるとした思考実験による決定論。しか
しその後量子論などにより位置と運動量の両方を正確に知る
のは不可能とされた。が、それ以前に位置や運動量を実際に
指定する際の実数は無限小数になり正確な実態を指定する事
自体が不可能なのです。近似値しか与えることが出来ません。

















あ、それでこの近似値を与えやすい表記が浮動小数点なんで
す。この浮動小数点演算を1秒間に10ペタ回(1ペタ回は
1000兆回のこと)も実行できるのが「京(けい)」って
スパコンなんすね。近似値しか計算できなくても実用には役
に立ちます。車など実際に現物を使って破壊実験しなくても
計算でシミュレーションできちゃうとか、原子炉の内部の反
応を計算できちゃうとか。物凄く応用範囲が広いのです。
物理・化学・工学だけじゃなくって心理学や社会学、経済学
までモデルが適正であればシミュレーションで予想できちゃ
います。

















 面白いのは、コンピュータを使った芸術ってのの芽が出て
きたことです。映画でもCGが流行ってますよね。音響でも
面白い合成ができます。最近3DーCAD(三次元デザインをコ
ンピュータ使って行うソフト)を使って面白いデザインをす
るのが流行ってます。ツールが進化すればコンテンツも進化
するのです。僕もむかしエッシャーの騙し絵とかはめ込み絵
に凝ったことがありますが、これが3次元で出来ちゃうんで
す。参考http://www.npo-ista.org/gallery1.html















 人間の想像を超えた世界が単なる計算の高速化でできてし
まうところが、この世界が複雑なのかシンプルなのか分から
んところ。マンデルブロ集合なんかもシンプルな関数で無限
のパターンが出来る例ですかねぇ。
http://d.hatena.ne.jp/tamamusi/20110420
















 いやー、この世界ってホントに不思議ですねぇ。












ホワホワホワ~~~ン