3月31日(木)ちょと、小難しい話し

 こんにちは。雲の多い晴れ、ときどき俄か雨。北よりの風
ときに強し。


 おたおたしている内に3月も杉にけり。我らの心も自ずか
ら縮みにけりな、いたずらに。ふと見たら、染井吉野の早咲
きにメジロがちゅっちゅと蜜を吸う。





















 或る物が「在る」という証明は比較的やさしい。どの辺に
在るかという仮説を立てて、実験で捜せば良いのである。
しかし、「無い」という証明は極めて難しい。その辺には無
いと証明しても、何処か違う所に在るかも知れないからだ。
しかも、どこか違うところは無限にありまふ。論理的には、
「そのものが在る」と仮定して、矛盾が起きることを示せば
「そのものは無い」といへる。しかし、同時に「そのものが
無い」と仮定しても矛盾が起きる時もありますから、単純に
はいかない。


















 「可能性の証明」というのも、「無い」の証明と同じ位に
は難しいものです。全ての可能性を網羅するのが無限に発散
するからです。例えば、プログラムのデバッグ(虫取り@正
しさの検証)では、あらゆる可能性を網羅的に検証するのが
とても難しいのです。とくに、その事象が生起するタイミン
グまで考慮すると、組み合わせ爆発を起こします。ですから
プログラミングにはバグが付き物で、メンテとかバージョン
アップと称して、修正が何処までもどこまでも続きます。





















 ヒトの遺伝子は、分っているだけでも2万5千以上は在る
と言われてます。哺乳類としてマウスと共通の遺伝子も沢山
ありまふから、ある特定の遺伝子を欠損させたマウス(ノック
アウト・マウス)を作って、そのマウスの生態を観察する事により、
その遺伝子の働きを探る実験が、分子生物学分野での有力な
手法とされてまふ。ある遺伝子が生命にとって致命的である
とマウスは生まれる前に死んでしまいまふ。またある遺伝子
は生まれた後ある障害を発症して遺伝子研究に寄与します。
しかし、ほとんどの遺伝子は全くそのマウスの生涯に何の
影響も与えないように見えます。何故なんだ!と思ったら、
実はその遺伝子はある特殊な状況においてのみ役に立つので、
その状況が発生しなげれば何の役にも立たないのれす。例え
ば、ある疾患にかかった時にそれを癒す遺伝子は、飼育マウ
スのように衛生的な環境では、その役割が全く不明なのです。
つうわけで、イロエロな遺伝子の役割探求も可能性の迷路に
はまって、抜け出せないことが多いのですね。





















 安全性の保証もこんな性質があると思うわけです。どのよ
うな事態が発生するのか?には無限の可能性があるのです。
ある事態が起きれば、それは自明のように見えますが、事前
にゴマンとある可能性の大海から、それに重みをつけるのは
実はそんなに容易くはありまへん。反して、結果論的にいちゃ
もんを付けるのは、どんなアフォにでもでけるのれすよ。


















 つうような一般論を差し置いても、今回の原発事故及び
その対処には、いくら文句を付けても付け足りないと、影響
の大きさからは思いますが、平時から変事への転換が、自分
の足元を崩す決断が、平目の重役にでけたのかは、まことに
疑問におもいまふ。一旦わたくしを捨てた公人ならば、平素
から死人(しびと)の覚悟でことに当たってもらいたいです。


















 そういう無理難題を、政府官僚東電あるいは国の知性に擦
り付け、わがままばかり言えるのも、平時は税金払うのみ、
何の権限もない凡人の、せめてもの特権とおもうてお許しつ
かあさい。



















シャッキリセイ!