8月22日(日)脳の世紀はノウ、ノウ!

 こんにちは。薄曇りのち薄晴れ。猛暑日近く迄気温上がる。
四谷三丁目で飲む。また蒸し暑つからずや。往きも還りも
汗だくだく。たっは〜









 少しでも正義の立場に立てると、居丈高に相手を叩くマス
コミ。しかも一斉に。水に落ちた犬を叩くように。いわゆる
マスコミ検察官。松本サリンから大分経っているが、一向に
反省も改善もなーい。しかも、身内の不祥事はスルーぎみ。
こんなしとびとをしんやうでけるでせうか?いやでけない!
不二家のペコちゃんや赤福の件は記憶に新しい。)













 と、ひとくさりブータレた後で今日は釣の話し。海釣り
でも岡釣りでもないミクロの釣り行。昔は両方ともけっこう
やったんですがねぇ。それと形態発生の話しも少し。














 医薬品の作用機序というと、そのクスリが特定のタンパク
質に結びついて、そのタンパク質(色んな酵素とかホルモン
とか伝達ブッシツなど)の本来の機能を変化させてしまう
ことから生じますぅ。それである薬がどんなタンパク質に
作用するのか?を見つけるのがとても重要になってきます。
















 そこで考えだされたのが「ミクロの釣り圏」、FGビーズ
なのれすね。これを餌にしてターゲット・タンパク質を釣り
上げます。これは200ナノメートル(1ミリの1万分の2)の磁性体
の粒(ビーズ)でその外側に薬剤がまぶしてあります。そ
れをイロエロな候補タンパク質の混じっている液体にばら撒
くと、お目当ての獲物(ターゲット蛋白)がその薬剤に食い
つきます。それからビーズを磁石で回収して、釣り上げた
ターゲット蛋白を何回か溶出させて精錬し、分析することが
できます。これが、大まかに言ったミクロの釣りですね。













 最近、この釣りでひっ掛かった大物がサリドマイドという
薬物を餌にしたセレブロン蛋白ですう。サリドマイドはご
存知の通り「催奇性」という副作用がありますが、もともと
はとても良く効く鎮静剤、催眠剤だったのですね。それ以外
にも多発性骨髄炎やハンセン病の特効薬でも知られています。
その催奇性は受精後1〜2ヶ月の時期の服用で四肢や耳の
未発達として発現します。















 それから、この善人と悪人の顔を持つセレブなねえちゃん
の尋問が始まったのですね。そしてこのセレブロンはE3複合
体を介したポリユビキチン化酵素の働きを阻害するのれす。
(ここまでは推論)
そこでモデル生物ゼブラフィッシュのセレブロン作成遺伝子
をノックアウト(発現させなく)した品種を作って観察したところ、
E3ユビキチン・リガーゼが阻害され、胸ヒレと耳胞の未発達
というヒトと同じ症状が表れた。さらにこれはニワトリでも
確かめられたが、念押しに薬剤非結合型の変異セレブロンを
ニワトリに導入したら、これにはいくらサリドマイドを与え
ても催奇性は現れなかったと。科学は推論、仮説から始まり
ますが、これくらい念を押して実証して初めて定説となるの
れすね。(でも、実際に催奇性が現れる直接の機序自体は未
だに未解決ですが。)














 表現形の導出という遺伝子の役割は未だに道遠しですが、
あるタンパク質の発現の時期と長さが大きな影響を与えて
いる、っつうとこまでは顕かになりました。













 基体は女性の体が胎児のある時期に男性ホルモンの放出
により男性化したり、思春期に女性ホルモンによりふくよ
かなかだらになったりとホルモン(性に関係した蛋白質)が
形態に重要な働きをしていたことは古くから知られています。
とくにテストステロンという蛋白(男性ホルモン?)の量が
性格に大きな影響を与えているという研究が近年盛んになっ
てきますた。脳がブッシツによって支配されてるっつう証拠
を捜す長い旅も終末を迎えているのでしょうか? ハテサテ