2月21日(日)こっち向けば においおこせよ 腋の下

 こんにちは。概ね曇り、ときおり晴れ間。まだ風はヒンヤリ
している。あさって位から少し暖かくなるとか。

 自転車で近所のプチ梅ノ木を回って、独りお花見。匂いが
イイナイイナ。微かに漂ってくるのがス・テ・キ♪







 「コチ食えばー匂い起こせや梅の花*1 主なしとて金は
忘るな〜」(すがわらのたまむし吟ず)








 匂いって不思議ですゥ。もしも人間にこの感覚が無かっ
たら虫などがフェロモンで駆動されてるって想像もでけな
かったろうな。なにしろ機器にも引っかからん数分子でも
検知しちゃうんすからね。虫たちには、未だ我らが想像すら
出来ないスッゲー感知装置があるような気がしてならん。
何しろ虫の知らせってあるくらいですからね。











 動物の中では衰えてるっ人間の嗅覚でも、数十万種の匂い
物質をかぎ分けれるらすいぞ。嗅覚受容体にある300種以上
のセンサー蛋白質で判別します。視覚なんてたかだか3種の
受容体で自然色を判別するんだから、匂いの複雑さは二桁も
上ってことだすね。しかもそれが記憶とか感情と密接に結び
付いてる。










 遺伝子多型っつって個人ごとにチョロチョロ変異する匂い
センサーで個人ごとに匂いの感受性はかなり異なるらしい。
それに性差によっても汗などの好ましさが変化するのは分かっ
てる。更に何べんも嗅いでると、脳内でのその匂いに対する
感度(認知閾値)が変わるようだ。これには、例えば自分の
匂いには慣れてしまう低次感覚レベルの嗅覚疲労と、隠し絵が
一度分かるともうそれにしか見えなくなるのと同じように、
一度憶えた匂いが鼻につく高次脳処理の2種類がありまする。












 あと、かだらの状態とか感情でもかなり変わりますね。渇す
れば中性な水の匂いすら甘美に感じるとか、嫌いな奴の香水は
「オエ〜ッ」だけど、好きなシトの汗はイイ匂いだ、とかね。
逆に匂いを利用して精神を安定させようとの試みもあります。
これは昔からフィトンチッドのリンデンバウムなんかが有名。
 








 


 


 好き嫌い、快不快などは脳の判断。センサーの所為では
あーりません。進化心理学的に言えば好きとか快いってのは、
生存確率を高める何らかの指向性、羅針盤といへるのかも
知れまへんねぇ。










 こういう見地からは、「美」っつうのも生存確率を高めてん
のかなあ?前から「美意識」というのが人間に何で備わって
るのか不思議だったんだ。地獄谷は嫌だけど、緑滴る草原は
美しいとか。塵とか汚い物で芸術を作るのは、倒錯なのかなあ。
セクスとか政治経済社会文学なんでも爛熟すると倒錯って出て
くるしね。これらすべては精神の根本構造の投影なんだろな。
多分ね。

*1:和食の料理屋