1月30日(土)もう一発、集団制御理論。細菌編

 *おっはよー。晴れ晴れ〜。スズメたちは朝からチュンチュン
元気れすう。










 けふは微細な集団行動を見てみませう。バクテリア集団。
彼らも相互にコミュニケーションをしてるのれすね。それには
オート・インデューサーという科学物質(ペプチドという蛋白
の素からできている)を情報伝達に使います。バクテリア単体
は前述インデューサーを分泌するのですが、バクテリアの数が
少なくってその密度が低いうちは、毒素を発生しません。無駄
な体力消費を防ぐためですね。だんだん個体数が増えてインデ
ューサーの濃度が高まり、ある限度を越すと、一斉に毒素を
産出し始めます。これをクオラム・センシングと言います。
議決定数感知システムとでも訳せませうか。












 このように化学物質の密度を検知して遺伝子の発現を促す
仕組みは多細胞生物の体内制御や個体間のフェロモンによる
通信などの源流でわ?と思われます。ここで産生される物質は
毒素だけではなく、発光物質や色素、あるいはバイオフィルム
という有機膜などがあります。バイオフィルムバクテリア
集団を保護する膜のようなもので、花瓶のたまり水のヌメヌメ
や虫歯菌が作った歯垢などがあります。だから諸君も一生懸命
に歯をみがいて口内がクオラム・センシング状態にならないよ
うにしませうね。虫歯菌だって数が少なけりゃ悪さができませ
んてバ。











 また医療分野でもアンチバイオティクス(抗生物質)に代わる
抗菌剤として積極的に研究されてますぅ。「おいらはここにいる
ぜい。」という合図になるオートインデューサーを分解したり
不活性化する薬を見つければ毒素を出せないわけですから安全な
治療法になります。抗生物質だと弱い菌だけ頃して強い菌を人為
選択しちゃうからどーしても耐性菌の問題が残りますね。











 ま、ヒトと菌との間でもイロエロな知恵比べがあるのですねぇ。
でも、「おーい、今何処にいるんだい?」「あっ、いけね。
忘れてたよ。ごめんごめん。」とか携帯で集合を確認するヒト
よりも菌の方がよっぽど合理的な気がしますね。人間ももっと鼻
が良けりゃあ、おんなじ香水を付けて、その匂い濃度が高まれば
おっ。みんな集まってくるな!とか判断でけるのかな。ハ〜レ〜












追記:今日は満月。中天に、大きな輪に囲まれた朧月昇る。



 サリンジャーが亡くなったという記事あり。「キャッチャー、
インフィールドフライ」と「理由なき反抗」は青春のバイブル
だったなあ。ライラライ、嘘塗れの世界から逃亡した日々。
それ以来読んでないけど、ひっそりと生きてたんだ。オドロキ。
生きてるうちは何言い出すか分からんから評価が確定しないけど、
今後、文学史上の位置付けが議論されるんだろうな。ライ麦
で走り回る子供たちの鮮烈なイメージが浮かび、涙溢れる。