落書は江戸時代のメディアです

こんばんは。晴れときどき曇り。秋も深まってきてやや気温も低め。
夜半から天気くずれぎみ。落葉も一段と多くなり黄や赤が飛び交って
います。さて、界隈の落書も下火になりつつあり冬の訪れも間近で
しょう。江戸時代も政局、事件、暮らし、ゴシップなど落書という
形で発信されてたらすい。これは門や壁に貼るのもあるが、大部分は
写書や後期には木版刷りなどで流通し庶民の暮らしにも影響を与えて
いたとか。好事家が集めていたものが図書館などにも保存されてます。




「江戸東京重ね地図」を監修している吉原健一郎と言う人が「落書と
いうメディア」(教育出版)という本を出していて。読み始めたら
けっこうおもすろし。掲示板とかに似テルかも。ま、当時は民主制じゃ
なかったから、単なるガス抜きに終わったと言う見方もあるけど、
シニカルな中にもユーモアがありシタタカナ庶民の知恵を感じさせ
まする。まず2例ばかり挙げとこ。これは明暦の大火の折、焼け野原
を笑い飛ばしているパロディーです。





元歌は伊勢物語、「武蔵野は けふはな焼きそ若草の 妻もこもれり
我もこもれり」(武蔵野の若草焼きを今日はやめてちょーだい、彼女
も僕もその陰に隠れてデートしてんだからあ)


「な焼きそと いへども焼けし武蔵野は 人もこまれり我もこまれり」
「こもれり」というエロイところを「困れり」に変換。プ





本歌は百人一首、「有明の つれなく見えし別れより 暁ばかり憂き
ものはなし」(有明の月の出ていた夜開け、つれなく別れたあの時から、
暁ほど心を苦しめるものはない)


「まるやけに つれなく焼けし我が物の 赤土ばかり憂きものはなし」
有明」を「まるやけ」に暁を赤土に変換している。プププ




落書を広辞苑でひいてみると、時事または当時の人物について風刺、嘲弄
の意をあらわした匿名の文書。とか載ってるけど、イロエロなものに
押しつぶされないで、笑い飛ばしてしまおうかい!つう態度は閉塞状況に
ある現代の我々にも必要かもね。ではまた、おやすみなさい。