個と集団とおれの生き方

昆虫の知恵の一種で足とか羽に撥水性を持たせているのは多いですね。
水の表面張力を利用するためにミクロの毛をいっぱい生やしています。
そういえば、玉虫の羽の色も色素ではありません。透明な薄い皮膜で
光の反射を変えていろいろな色を作り出しているのです。エッヘン



人間というか個と集団の関係についての捉え方が環境問題にも大いに
関係してくると言われています。現代社会論の源流であるボッブスは
まず自然権を持っている個人があって、(これは本性がエゴイスティック)
そのまま放置しておくとバラバラな個人の利害が対立し全体の闘争
状態になってしまう。ゆえにこの自然権を契約で制約して国家が成立
するのであるとか教科書には載ってます。



一方、和辻先生は「間柄」の倫理学で「そもそも人間の゛間゛は間柄
であって、集団の中での関係すなわち役割を果たすことが本質である」
と述べている。個々の独立したエゴイスティックな人間からは出発していない。



これを環境問題に置き換えると、すべてはお互いに関連していて関係
項目自体が実在であって、この関係の網の結び目が個人である。網の
全体が環境であるとすればその要素はお互いに補い合い依存する関係
でなければならないとか。しかもこの結び目には上下の関係はなく、
まったく平等かつ相補的でなければならない。
そして、この網を強化するには多様性(diversity)が重要であり、
色々な考え方、色々な価値観を持っている人々が複雑に絡み合う
ほうが望ましい。すなわち共生の原理にたどり着く。


つうのがA.ネスが説くところのディープ・エコの概要ですが、更に
格差社会は環境も破壊する、とか地域の特殊性を生かせる地方分権
主義を支持したりしてます。


今後、西洋発の環境運動は「もう俺たちゃ十分豊かじゃないか。これ
以上何を望むのか」がラディカルに展開し、後発国の締め付けに向かう
ツールになる兆しがあるので要注意。衣食足りて礼節を知る、は世界
全体でやらなくっちゃね。俺の中ですらまだまだコナレテないのです。