過ぎたるは、なお及ばざるが如し

こころの自己を規定するのはなかなか厄介だが、体の自己は比較的
簡単に規定される。すなわち免疫システムにより攻撃されない物は
自分の体だと定義できそう。



これには身体にもともと備わっている「自然免疫」と異物進入に
より抗体を作って対抗する「獲得免疫」がある。
それで数多い外敵にどのように対応するかというと獲得免疫の方
はパーツの組み合わせを多様化し1000兆までレパートリを増やせる。
この研究で利根川氏はノーベル賞をもらった。



しかし自然免疫の方はどうやって対象を識別するのかはなかなか
分からなかったが、近年、樹状細胞の中のTLRという受容体が重要
な働きをしている事が分かってきた。すなわちこのTLRは10数種
しかないが、この受容体でイロエロな病原体に共通にありしかもその
病原体の生存に欠かせない成分を認識することで多種の病原菌に
対応しているらしい。これで大きく網を広げて一次対応し、漏れた
やつ等は獲得免疫で個別撃破するという2重の仕組みになっている。



でこの樹状細胞でインターフェロンという物質を作って細菌を攻撃するの
ですが最近の研究でこの産生を制御する仕組みが分かってきた。
これが分かると生体防御だけではなく、過剰免疫作用によって
おきる自己免疫疾患やアレルギー疾患の対策にも有望という事で
医学会に大きな波紋を起こしているということだ。



今まで治療の困難だった難病やアレルギーが治るといいね。
自分が自分がとあまりにも自意識が強杉ると免疫の世界でも良い事
は無いようですね。ではでは