虫たちをめぐる循環の不思議

好きな話題と言えばなんといっても昆虫だな。またここ10年程
で急速に研究が盛んになった分野だ。産学連携とか言って大学
も役に立つことを研究しなくてはならなくなり、それまで殆ど
趣味の分野だった昆虫学にも時代の波が押し寄せたといった所
か。


掲示板でも、ループな話題で延々と粘着議論が継続するのを見
かけますが、持続性に関してはループが重要なキーワードとな
っているのでしょう。要するに始めとか終わりが無くってエン
ド・レス。



サケの源流回帰は良く知られていますが、これは海の栄養素を
森へ還流することで有効なループを構成できたとする学説があ
ります。そして豊かな森がプランクトンや虫たちを育て、その
プランクトンや虫をえさにしてサケの幼魚が育ち成長してまた
海へ帰るという大循環。



しかし豊かな海で成長するのならずっとそこに居ればいいのじゃ
ないか?と思うのは浅知恵。海は豊かではあるが天敵が大杉て
幼魚にはとても厳しい環境だということです。しかしある程度の
大きさになると海の豊かさが有利に効いてきます。



このようなループが長い年月を経ていったん形成されるとコマ
のように永続回転することになる。自然界で何億年もサバイバル
している種は大なり小なり無数のループの一端を形成している
ことになる。縄文時代にはかなりの河川にサケ、マスの回帰が
見られたようだ。また母川の判別には匂いの記憶が重要な役割
を果たしている。匂いについてはまた書こうと思う。



あ、もっと小さなループも挙げておこう。寄生虫にあやつられる
カマキリ達。カマキリの腹の中にハリガネムシという線虫が寄生
している。この寄生虫が繁殖期になるとカマキリの腸管にアナを
開ける。するとカマキリは喉が渇いて川へ水を飲みに行く。その
機を逃さずハリガネムシはするすると何匹も水の中へ入りそこで
生殖して卵を産む。で卵が孵ると水生昆虫に寄生し、その水生
昆虫の成虫がまたカマキリに食べられて、ハリガネムシは無事、
カマキリの腹のなかに収まるという寸法。不思議でしょ。この
ループがカマキリになんらかのメリットを与えているかどーかは
まだ掴めていませんが、俺は必ずなんらかの利点は持っていると
思う。そうでなきゃこんな関係が続く訳ないもんね。