辛いって痛覚らしいね。今日12月12日は漢字の日だ。「いい字いち字」
だって。変な当て字。で折角始めた片仮名は一時取り止め。表題の件、
あまりいい一字ではないが、辛党の俺は人生すべからく辛口で、
世知辛く渡って生きたいものだ。
 


で、自覚としては痛覚ではない話。泰国を旅していた頃、或る日、曼谷の
河上に在る料亭にて、当地では有名なる汁物を食したる事ありき。
魚醤や海鮮の具とりどりに入りたるその汁、一口食したれば美味なる事
この上なし。酸の味もまた乙なり。しかる後、香草を一箸取り出だして
口に入れれば、あれおかし。なんと口中にて爆発亭炎上したでは内科医な。


客人も多数列席しておじゃれば、吐き出す事も適わず、麦酒を含まば
爆発は更に口中に拡がりて、止めやうも無し。しこうして水を壺ごと
丸呑みすれば、激辛は口中から目、鼻、胃の腑、脳天にまで至りて、
我悶絶せり。


てな具合ですが、今から考えれば香草と一緒に青唐辛子を一口で噛んで
しまったらしい。あれは、痛覚ではなくって、温覚のしかも火傷級だった
な。普段は寿司はさび抜きで、おでんの辛子もほんの少ししか着けない
極めて坊やな俺には、正に驚天動地の出来事であったよ。