表現者

一億総表現者なんて言われてから久しい。
ほんとは数百万人だと思うけど。それでも多いね。
おれも曲がりなりにも表現者の一員になってから、一ヶ月強が経過した。


昨日、何気なく「日本ペンクラブ」のHPを覗いてたら、筒井御大の出るシンポ
の案内が載っていた。いわく「売れさえすれば作家か?」
電車男」のアンチテーゼかいなと思い、今日、早稲田まで出かけてきた。


相変わらず、冗談きつくてまいったが、「俺の時代は娯楽が無くて読むしか
無かった。で、もう読む本が無くなって自分で読みたいものを書いた。
今は、読まなくっても書く人が多い。その証拠にある雑誌の新人賞応募など
その雑誌の発行部数よりも多かったくらいだ。」思わずふいたぜ。


こういう成功談を聞いてると吹くこと多いね。「同人やってた頃、俺より
才能のある奴はゴロゴロいた。要するに運だ。時流に乗ればどんなアホでも
売れるよ。しかし小説を書くとのめりこんでしまって、リアルの感覚が無い。
実際この40年間の生活の記憶がまったく欠落しているのだ。」と嘘のような
話をしていたが、俺はほんとだと思う。


筒井氏は乱歩に認められてから、自分の本を出すまで10年以上も掛かっている。
「人生、邯鄲の夢」とかあるけど、こういう人生もうらやますいね。