6月30日(土)エアコンの涼風に、秋風を思う。

 晴れ。25℃〜33℃、58%。南風やや強し。ツバメを見た。


 コチの美味い季節になりました。

 鯒食えば 思い起こせよ 梅の花 豆腐なしとて 味な忘れそ





 風の記憶:

 風は直接目には見えねど、他のものに与える影響で、間接的にその存在を感じることができます。先ずは初夏の真っ白な雲が流れて行く姿。パリのマロニエの花咲く頃の空は、まるで高原のようにとても綺麗でした。夏は涼しげに風鈴を鳴らす微風、残暑の頃は、ススキの穂を揺らす秋風が待ち遠しいですね。これは秋風が立つなどと、熱し切った恋愛感情に飽きが忍び寄る比喩にも使われます。木枯らしが梢をビュービューと鳴らす寂寞たる音も印象に残ります。強風に乗って乱舞するカモメの群れはとても楽しそう。
文学では、どっどど、どどうとやって来て、風のように去っていく又三郎や、嵐が丘をビュービューと吹き抜けるヒースクリフとキャサリンの慟哭の風、などたくさん出てきます。和歌でも風が主題の歌がいくつもありますね。


 わが宿のいささ群竹吹く風の 音のかそけきこの夕べかも(大伴家持

 秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる(藤原敏行

 
 ずーっと我慢してたんすが、余りの暑さに耐えかねて、とうとうエアコンを付けてしまいました。エアコン室外機の前にあった植物を隅に移すのに大汗かいて、シャワーを浴びた後、まるで秋風のように涼風を感じ乍ら書き記すなり。ども。