5月10日(日)蚯蚓出 (みみずいずる)。失楽園。

 概ね曇り、朝のうち一時煙雨。18℃~21℃、71%。午後から南風強し。

 

 コモンズとは:

 共有地の悲劇The tragedy of the Commons)というのがあって、コモンズというのは皆で利用できる土地のことなんす。私(Private)と公(Public)の中間のような位置づけでやんす。私的に所有されてる場所でもないし、公の用に供される場所でもないと。

 こういう場所は私と公の間に挟まれて、その運用にはとても微妙な注意を必要とされます。皆で協力して世話をすれば豊かな恵みを与えてくれる場所にもなるし、我欲を解放すればすぐに荒れ果てて再生できない土地になります。後者を共有地の悲劇と言ひ、山野海浜の荒れ果てる原因にもなります。

 元々は16世紀のイギリスで共有地で羊を飼っていたところ、荒れるので囲い込みが行われたことに発する。囲い込みにより土地の私有が進むと、共有地で暮らしていた農民が追い出され都市に流入し、労働者になったと言う説もある。こりが産業革命の発祥だとか。ホント?

 子供の身になってみると、空き地というのは皆が遊べる共有地であって、そこでは公園のような遊具がないから、子供たちだけで色々な遊びを工夫して創造力醸成に寄与してました。虫を取ったり、草と竹でアジトを作ってみたり、草相撲とかチャンバラ、泥警、缶蹴り、縄跳び、鬼ごっこ・・・何でもありで、何でもできる子供たちの天国でした。

 そこに起こった共有地の悲劇とは何か?子供たちが遊び過ぎて空き地が荒れ果てたのか?いやいやそーではありません。空き地は切り売りされて私有地に囲い込まれてしもたんですぅ。柵やロープで区切られて、子供たちは立ち入り禁止!そして街の小さな片隅に小さい公園(おおやけの園)が出来ました。そこにはもう草叢や虫たちはおりません。何でも想像でできた遊びは、お仕着せの強制された遊びに取って代わられ、ママ友たちの社交場。そこはもう自然児たちの楽園ではなくなった失楽園。嗚呼無情!