8月26日(月)いわゆる一つの考え方の癖について。ども。

 薄曇りときどき薄晴れ。23℃~28℃、62%。コロコロとコオロギの声が聞こえる夕べ。コオロギも種類によって鳴き声がイロエロあるからおもすろい♪プールだん。

 

 個別具体か抽象か?

 グロタンディークというフランスの有名な数学者がおりました。数学界のノーベル賞とゆわれるフィールズ賞も受賞しておりまふ。あるとき素数の一般的な性質について講演した時のこと、一つの質問がありまひた。「先生のお話は抽象的すぎて今一つ分かりません。何か具体的な素数を例にお話し下さると助かります。」、「なるほどでは仮にこの素数を57としてお話しましょう。」・・・57は一見素数じみてますが実は3x19で素数ではあーりまへん。それ以来57はグロタンディーク素数として有名になりまひた。数学者は具体に弱いのか?そーなのか。

 またもう一つの例は、日本の高名な数学者吉田耕作教授のところに工学者である森口繁一教授がある工学上の問題について相談に行った時の事です。森口教授がひとしきり問題の核心を説明したあと、吉田教授が「もう少し分かりやすく抽象的に説明して下さいませんか?」と言ったという。「あれには驚いたよ。」と後日、森口教授が述懐していたとか。数学と工学の手段や志向性がよく現れている逸話です。

 実際、抽象がいいのか具体がいいのかは、それまで培った理解の方法論にもよるし、学問の分野にもよるでしょう。抽象は見通しがいいけど、実地の適用には工夫がいると。具体は分かりやすいが、それにとらわれて広がりに欠けると。でもそれも一つの偏見かも知れんので、それぞれの得失をその場その場でよく吟味する必要があるでしょう。数学者だって、具体的な数字が好きで好きでたまらない人もいるし、工学者だって問題を抽象化して見通しを良くする人も多いしね。何事も決めつけはあきまへん。どもども。